3月18日から最高気温24度台に突入し、真夏日を思わせる気温が3日間続いて、強い日差しが見られ始めている。一足早くやってきた汗ばむ陽気に、慌てて薄着に切り替える人もでるも、日が沈めば寒さも感じられる微妙な季節。
石垣島でヤエヤマボタルが本格化するのは4月10日頃だが、現れるのは3月から。西表島では2月から見られることを思えば、なぜか遅れがちの石垣島。
今年の石垣島は例年よりもなお少し遅れ気味と、あるホタルガイドは言っていた。そんな中、晴天日和が3日続いた最終20日午後7時頃、ヤエヤマボタルの点滅が観られるホタル観察ポイントでは、3月として多めの点滅が観られている。
午後6時半頃、すでにホタル観察のガイドが3グループほど現れ、4月待たずに大勢が集まるようになっている。
午後6時50分頃には、静寂の中にあった山林にヒヨドリが鳴きはじめて、午後7時にはカエルの鳴き声がぽつりぽつりと聞こえてくると、コノハズクの声も交じりはじめ、ヤエヤマオオコウモリが羽ばたく音が薄暗い闇に響きはじめると、突然にヤエヤマボタルの点灯が小さく微かに始まる。
7時半頃には、肉眼で確認できる点滅がはじまると、「あそこに」「どこ?」の声で騒然とするグループに、終始黙って観察できるグループと、もっと見える場所を求めて移動をするグループと、それぞれ様々にホタルを観察。もう、殺到ぎみなのだった。
ところで、冒頭のホタル写真。これは、合成はされていない。一般にホタル写真は、多くが合成を試みる写真家が多い。元来、フィルム時代から現像の方法が写真技術の基礎。どう印画紙に焼くかで、できが左右される。補正も合成がわからないようにする。その延長で美しく整った写真が、印刷物に使われている。観光写真がそれだ。フィルターさえかける。やいまNEWSの流杉一行写真には、それはない。
やいまNEWSでの動画は、今回、f1.8の安いレンズでホタルの点灯を撮影。
ピントを追わないから、きれいなものにはなっていないが、実際に見られるホタルは、この点灯の様子が広大に広がっているというもの。
一斉に写真のような光が観られるというものではない。ただ、この闇に点滅するヤエヤマボタルが、全長2ミリから5ミリと、ものすごく小さいこと。そして、その数に誰もが驚くこと。そこは、写真以上のインパクトがある。これは動画でも伝わらない。実際に見るしかない。
(流杉一行)
関連の本はこちら▼▼▼