国の方針にのっとり、医療従事者から優先して高齢者への接種へのワクチン接種が実施されることとなり、沖縄県では医療関係者を中心に5万7000人へのワクチン接種が始まっている。
すでに3月5日に沖縄本島の医療機関で実施され、8日からは先島でもスタート。
県立八重山病院では3月8日、60人へのファイザー社のワクチンが医療関係者に接種された。
この日、記者団に接種の取材が許された。
接種前には問診が行われ、熱がないか、体調の不良はないか、既往症はないかを確認し、それから接種に取り掛かる。
接種後は、15分様子を見るために待機する場所が用意されており、そこでアナキラフィシー反応などの異常が起こらないかを確認するかたちになる。
第1回目の接種はこの日から3月16日にかけて行われ、第2回目の接種は3月29日からはじまる。
八重山では医療関係者を中心に、陽性患者を移送する海保や竹富町の消防など、医療業務へのサポートをする人を含めて約1700人にワクチン接種が行われる。
目下、195ユニットが到着して、1ユニット5人分で、975人分が摂取されていく。第2弾、第3弾のワクチン到着がある予定。
接種予定者には妊産婦もおり、不安をもつ人もいるが、そこは感染対策チームが対応して不安の払しょくに努めている。90%が希望している。
ワクチンに遺伝子操作の声も上がっていることについて病院長は
「実績があります。コロナから重篤化して亡くなっている人もいます。持ち込まないことを含めて予防が第一と思っています。できるだけワクチンを打っていただいて、集団免疫を獲得する形をとるのがよいと思います」と述べていた。
また同病院の上原真人麻酔科部長は
「私は遺伝子操作ではないと思います」ときっぱりと巷の噂を否定していた。
この日、接種を受けた集中治療室担当の城間絵里加さんは
「インフルエンザのような痛みがあるかと思っていたが、なんともなかった」と答えていた。
「感染の恐怖はありました。接種したことで、以前よりは積極的に仕事に取り組めると思う」と、不安が払しょくされたことを述べていた。
なお、今後医療従事者のワクチン接種が終わった後は、高齢者へのワクチ接種に移行する。その際は、市町村が主体となって接種場所が決められていくとのこと。
世界各国で進む接種の効果から、ワクチンへの信頼が増して、接種希望の医療関係者の増加がみられる状況にある。日本へのワクチン供給が一部予定より遅れそうな情報も出ているものの、医療環境や経済環境に影響力をもつワクチン接種は、重要性を増すものと思われる。
(流杉一行)