1月4日午前9時から八重山漁協の令和3年の初セリが行われ、この日一番トロ場のセリに「5000」の声が響き渡った。
冒頭、セリを前に式典が行われ、上原亀一八重山漁協組合長の代理として伊良部幸吉専務が新年の挨拶に立ち、「昨年度(令和元年度)は1300万円の黒字となり、組合員、仲買人、並びに関係各位によるご支援ご協力の賜物」と、感謝の言葉を述べていた。
また「昨年は新型コロナウィルスの影響で経済が停滞し、漁業者にとって非常に厳しい一年となりました。今年に入っても感染拡大は広がっており、先行き不透明となっております。」とコロナに触れつつ、
「漁業を取り巻く環境は、尖閣問題や日中・日台漁業取り決めによる漁場の狭隘化、クロマグロの漁獲制限、沿岸資源の減少等、厳しい状況が続くものと思われますが、役職員一丸となって健全な漁業経営に努めて参りたい」と、意気込みを述べていた。
この後、恒例の冨崎観音堂へ向かっての2拍1礼をしたあと、歓談の間を置いて、初セリがスタート。最初のトロ箱に「5000」の声がかけられ、周囲からの拍手が揚がり、アカマチ2・1キロにキロ5000円の値がついて、幸先良い初セリとなった。
セリの後、購買者の仲田吉一さんは「これくらい明るくしないと」と、にこやかに初セリの最初のセリにかけた声を振り返った。
この日、天候も悪さもあってか、27のトロ箱の魚と、ビンナガ(トンボマグロ)19匹の少々少なめな上場の魚ながらも、初セリらしさが出て、令和3年を占うにうれしいスタートとなっていた。
(流杉一行)