10月16日午後4時から八重山合同庁舎2階の大会堂で第43回八重山地域新型コロナウィルス感染症対策本部会議が開催された。
会議後、記者会見が行われ、宜野座葵八重山事務長が、かりゆし病院で9人の陽性患者が出たことを発表した。
10月15日の夜間に実施された9人分の保険抗原検査により4人が陽性と判明。60代女性1人、70代女性1人、80代女性2人の高齢者4人で、八重山病院に入院している。80代女性は重く、残る3人が軽症。濃厚接触者や感染元については調査中。
また16日には9人の抗原検査を実施し、5人から陽性が判明。
この後、かりゆし病院の境田康二病院長が詳細を説明した。
要約すると、かりゆし病院のリハビリを中心とする回復病棟の患者4人が陽性と判明し、夜遅くに八重山病院へ転院。事態を重く見たかりゆし病院は明くる16日に検体を59人分を取って、症状のある患者23人分と診療した医師3人分の抗原検査を八重山病院へ依頼。残る33人分は症状のない職員の分で行政検査に回した。職員は看護師やリハビリ等の作業療法士、入浴介護の職員など。
これまでの経緯は、10月10日からリハビリをする患者から発熱者が出て、1日か2日ほど様子を見て、3日目にインフルエンザの検査やCTを取るなどする。発熱患者が8人9人と増えだして、原因がはっきりしないことで、15日にPCR検体を取って検査をしたところ陽性が4人出た。
15日から16日にかけて濃厚接触した職員と、陽性が出た患者と同室の患者の検体をとって、患者から5人から陽性が判明。
境田病院長は、「症状のない、全員の入院患者さんの検査もしなければならないと考えている」と述べ、「市民の方々は非常に不安を抱いていると思い、申し訳なく思う。病院は10月31日まで閉鎖としました。外来すべて閉鎖、入退院も含めて14日間たってから患者さんは動ける形で、市民が不安になるような事態はこれで大丈夫ではないかと思っている。」
5人の症状や感染経路に関しては、
「陽性5人は、80代男性3人、70代女性1人、90代女性1人の5人で、症状は5人が発熱を伴い、38度以上の熱、のどの違和感、咳が出るなど。感染経路は不明。面会は5人登録制でその中の2人までと制限しており、突然の県外からの面会は禁止としている。」
「職員は、毎日朝に体温チェックをして、症状がないかを確認して仕事に就いているので、感染経路は不明。症状のない状態で感染力ある接触があったんだろうなと思う。」
と述べていた。
なお、職員33人の検査結果は日曜の午前には分かる模様。感染源に関しては、病院へ持ち込まれたのは10月3日か4日当たりではないかと述べ、面会か、症状のない職員か、どちらかの可能性があるとのこと。
3日、4日に病院へ面会に行った人も、注意が必要となる。
境田病院長は今後、症状のない入院患者70名ほどと、病院職員全員(職員数約300人から33人を除く)のPCR検査をしていく意向を述べていた。
なお、病床数に関して宜野座事務長は、八重山病院の13床に加え、かりゆし病院でも協力をお願いする予定。症状のない職員の方々には、ホテル等の宿泊施設へ行ってもらうとのこと。
会見に同席した中山義隆石垣市長は、「現段階では病院内部の感染で、市民には過度な不安や、行動自粛に向かわず、落ち着いた行動をしてもらいたい。これまで同様に、マスクを着用して、これまで同様の感染予防対策を実施して欲しい。」と、述べていた。
なお、境田院長はコロナ外来はこれまで通りに電話で受け付けており、院内に入らず院外で検体を取ってやっているので、電話での対応は継続していくとのこと。
(流杉一行)