「ここ40日間が勝負!」 コロナが来ないことを祈る農家 パインマンゴー出荷式

 6月24日午前9時から石垣市大川の八重山郵便局で2020年度石垣島産パインマンゴー出荷式が開催された。

 コロナウィルスの世界的なまん延で、今回の出荷式は一部規模を縮小しての開催で、オープニングでの子どもエイサーや、出荷の開始を記念してのテープカットが行われず、また山に盛られたパインマンゴーが出席者に振る舞われることも省略され、テーブルに小さな皿で用意。密を避けて、開催場所もこれまでの沿道沿いから郵便局内での開催となって、通行人が気づく形ではなく、関係者だけで実施するものとなっていた。

 冒頭、八重山郵便局長の西里博務氏は、小規模でも開催できたことに安堵していると述べ、多くの人に八重山のパイン・マンゴーを届けたいとアピールしていた。

 この日の挨拶も中山義隆石垣市長と農家代表の上間昇氏の二人が、新型コロナの影響の下での出荷式となったことに触れ、石垣島の味覚の発信について述べていた。

 上間さんは「今年はパインもマンゴーも大豊作で、コロナの影響が心配でならない」と、述べ「ここ40日間に何もないことを祈りたい。」と、6月から7月へ向けて、豊作の八重山のパインとマンゴーが多くの人へたくさん送れることを望んでいた。

 7月のハワイ種は絶品とされる八重山パインは、これから本格化。甘さと酸味のバランスがよく、缶詰の味しか知らない人には驚きの甘さが売り。

 この期間だけ、特別においしいとあって、多くのファンがいる。地元からも送って喜ばれる傑出した贈答品として、大いに中元などに活用されている。

 7月初旬から7月半ばにかけて、空路の輸送体制はほぼ整う模様。毎年、殺到ぎみの中元贈答品の輸送は、離島における大問題ながら、交付金がらみの臨時便の余裕が、期待されるところ。

 7月と言えば台風も発生する時期でもあり、厳しい状況は要因が様々に控えているが、島内活性で島人による島産品への利用度をあげることで、活性させる手段もある。

 コロナに怯えながらの観光客への期待よりも、そこはできる限り島人の活用で、産品が利用される道を模索する手が堅実。

 ひとり、陽性反応をもつ人が島に入るダメージの大きさは、破格で、しかも空港でのPCRはできず、空港で熱発する人をキャッチしても、PCR検査は石垣市からお願いするしかなく、拒絶されれば、手が出ない。

 石垣市コロナウィルス感染阻止条例制定も、強制や罰則は、書かれていない。

 怯えながらも、経済回復は急がれる中、ワクチン完成までの綱渡り状態は、日本全国の感覚。

 冬季が迫れば第二波の到来への備えは必須。今のうちに、経済の体力を養う必要があり、対処方法も編み出されてほしいところ。新たな時代の新たな対応方法は、新時代の発想のはじまりとなろう。

 なお、八重山郵便局の今年の目標は、パイン40000個、マンゴー12000個の計5万2000個。
 2015年は10万個以上あったことを思うと、2019年の5万個台は徐々に減りだしていることになる。

 減退の理由はわからないがポテンシャルはある。

 (流杉一行)

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