4月28日午後7時から石垣市役所2階第一第二会議室で新型コロナウィルス感染症に関する記者会見が実施された。
この日、中山市長は4人目の罹患者確認の話の後、県立八重山病院にPCR検査装置の導入について発表を実施。
クラスター感染を疑う事例が起こった場合に備えて、石垣市は素早くPCR検査を実施できる島津製作所の検査キット導入と、それに対応可能な検知機器の導入を図ってきた。
このほど、八重山病院にその検知機器が入ることと成り、島津製作所の検査キットを導入して、八重山病院を軸に運用を開始することが発表された。
5月1日に検知機器が搬入設置され、5月2日に試験運用が始まり、7日からの運用目指して、取り組まれている。2日に、100検体分のキットが用意される予定。
これまで沖縄本島へ検体を送り、判定まで2日間かかったものが、検体を島で判定できるところまで、飛躍的にPCR検査の判定環境が整ったことになる。
石垣市長は、検体採取から2時間で判定できることから、空港でのサーモグラフィー検知機による体温異常の観光客に対し、2時間待機でPCR検査が実施できることになると、述べていた。(PCRの陽性を検知する器械は八重山病院に設置)
熱発しない病原体保持者もあり、そんな人でもウイルスを振りまき、感染拡大することから、素早いPCR検査だけでは100%の万全さはないものの、離島で素早くPCR検査ができることのメリットは、これまでにくらべ破格に大きなものとなる。
感染拡大の阻止に次ぐ問題として、経済活動の復活をどう取り組むかについて、今は全世界で死活問題となっている。
石垣市長は、今回、経済活動を回復させるかについての会見を当初計画していたと述べ、4人目の確認で、変更になったことに触れつつ、島内でのPCR検査の始動で経済活動の回復への一歩と考えている旨を述べていた。
韓国のGPS履歴の公開とまではいかないにしろ、個人個人の自主的な申告からPCR検査の有効な実施を増やして、新型コロナウィルスの封じ込めていくことが、イメージされる模様。
また、一人目と二人目の感染者が出た時、コロナ感染の電話相談外来およびコロナ外来(市営球場)の設置に尽力してもらった境田康二医師(かりゆし病院長)に、26日に閉めた電話相談外来を明日29日に復活することを発表。コロナ外来も復活の予定とのこと。
また境田康二医師が5月1日から石垣市の産業医となることが発表されていた。
この日、会見に出席した境田医師は、29日の午前に電話で問診を行い、午後から必要とあれば野球場での問診・診察を実施するとのこと。電話は三回線。
「最初は、まだ誰もなれていないので、検査技師らの訓練が必要ではある」と、境田医師はいよいよ始まる島内PCR検査の慎重な始動に触れていた。
なお、この日の冒頭は、石垣市で4人目の新型コロナウィルス感染者が確認されたことを中山義隆石垣市長は報告。
「市民の皆様には無理をお願いしながら、感染拡大をしないために制限をお願いしてきました。」と、これまでの取り組みをねぎらうとともに、市民にはなお一層、引き締めていただきたいと、自粛への配慮をお願いしていた。
4人目の罹患者は、20代男性で2例目と3例目が感染した店舗の利用者であることを表明。今、県八重山保健所が詳しく調査している最中であることを述べていた。
石垣市には、陽性患者の確認がおこなわれても、これまで通り、本人の動向、活動の導線を調査する権限はないため、感染拡大を予防のための取り組みに終始する以外ないのが実情。
韓国のように、スマホのGPSによる活動履歴が公開されることがあれば、接触嫌疑を自ら申告する人が出て、感染収束が早まるケースが出るのだが、プライバシーの問題も軽視できない。
大量のPCR検査の方が追いついてこなかった日本の検査対応の遅れから、接触嫌疑が大量に出ると医療現場が崩壊する可能性もあって、検査の後手と、病院への駆け込み防止が先になって、じりじり感染者が増える状況となっている。
このPCR検査キットの普及と判定の早さが、今後どう効いてくるかが、大いに期待される。
なお、7日のスタートの発表は見送られた。
体制を整えるには、時間がいるのかも。
追加
5月8日に、県合同庁舎2階での14回対策会議で八重山病院の説明で、PCR検査の島での実質稼働が明らかとなった。
島でのPCR検査は稼働できていること自身は快挙。
最高10人分の同時検査が可能で、検査準備に時間がかかることから、検査をどのような手順で日々こなしていくかを、考慮中。
当初は2時間でわかるとしたが、3時間かかる模様。
何よりも、日本最南端の石垣島内でのPCR検査が可能となったことは、画期的。気分的に、違うものがある。
なお、本格稼働となったのは、5月29日からと、石垣市は発表。(5月28日発表)第2波を警戒しつつ、まずは一安心。
(流杉一行)