今年も躍動 オヤケアカハチ 太陽の乱

 子ども演劇現代版組踊「オヤケアカハチ~太陽の乱~」(主催 子ども演劇やいま浪漫の会)が12月22日、石垣市民会館大ホールで開催された。

 2006年から毎年12月に実施されているイベントで、小学4年生から高校3年生の幅広い年代の子供たちが、リーダー養成講座で集い始まった現代版組踊。平田大一氏が演出を手掛けてスタートし、毎回総勢80名の子供たちによる唄あり、ダンスあり、劇での気持ちを込めたセリフありと分担し、子どもの可能性を開く教育の場ともなっている。

 県立石垣青少年の家で練習を繰り返して生まれた群舞の迫力は、この舞台以外でも多くの人の前で披露しているが、初めて見る人には衝撃的群舞ともいえる迫力だ。
 
 この日は年末恒例の公演として行われ、オヤケアカハチの生涯を独自の視点で演劇に仕上げた内容となっている。最後は王府軍の討伐に遭うのだが、討つ側、討たれる側の苦悩を描きながら、独自のまとめ方をしており、ラストの迫力ある殺陣シーンも見ごたえがある。

 毎年好評の舞台は、この日も多くの観客で会場はあふれ、子どもたちの元気いっぱいの舞台を、楽しみにして来た人の熱い視線がシーンひとつひとつに集まっていた。

 昼・夜2部で構成され、昼は午後1時から。夜は午後6時から開演で実施された。

 昼の部終了直後には、会場を後にする人へのお礼の見送りがおこなわれ、来場者それぞれがひとりひとりの子供たちに、声をかけ、子どもたちも手を振るなどして、来場者への感謝の気持ちを表していた。

 やり遂げた気持ちが前に出て、明るい笑顔で迎える子どもたちの表情は、輝きを放って、見送られる観客はうれしそうに家路についていた。

(流杉一行)

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