小浜島結願祭が新たな公民館で開催

 10月30日、午前9時半から竹富町小浜の小浜公民館で国の重要無形民俗文化財の小浜島結願祭が開催され、字民、郷友、観光客で会場はあふれていた。

結願祭は一年の神への願いが成就したことを喜び感謝するとともに、一年の願いを解くための祭で、加えて来年の豊穣を祈願する祭とされる。

 例年、嘉保根御嶽で開催される小浜島結願祭は、この日、朝から降雨が見られたことから早朝に公民館での開催を決定。

 嘉保根御嶽で準備していた多くの資材を公民館へ運搬して、大きなホールを持つ新築の公民館での開催準備に取り掛かった。

 以前にも雨で会場を小学校体育館に変更して開催したことがあるも、今回は公民館とこれまで前例のない試みで、例年より30分遅れての開始となった。

 ミルク節の曲がはじまると、待機していたミルクが公民館ホール入口からスタート。

 幼い子供とともに、この日の演者らを引き連れて、ゆっくり歩みを進め、ステージに設営された拝所の前まで来て、また公民館の出入り口付近へ戻ってミルクの座回りが済むと、北村の棒を先頭に、太鼓と獅子の一行がにぎやかに登場して、会場を盛り立てた。

 次に福禄寿を先頭に南村の座回りが行われた。福の扇と巻物を持って登場した福禄寿は、見守る観衆に向かってふくよかな顔を見せ、会場に幸を招くようにゆっくりと歩いてみせていた。

 福禄寿は、ミルクの隣に座ったことで、2体並んでの光景が現出。珍しいふくよかな姿の2体が並ぶ様子に、観衆は見とれていた。

 南村の棒と太鼓、獅子が舞われたあと、北村の棒がスタート。

 マイヌヤラ、剣と槍、六尺棒、鉄傘剣と槍、3人棒、短剣2刀と槍など多彩な棒が披露された。

 南村も鍬と槍、エーク(櫂)、鎌と槍と多彩で、迫力ある棒が展開。鎌と槍の組では、槍の刃が取れてしまうアクシデントも発生。力の入った棒が展開して、見る人を驚かせていた。

 ここまでは庭の芸能で、このあと舞台の芸能となり、新公民館に舞台設定を設定。瞬く間に仕上がって、舞台にミルクが登場。御前風、赤田主、オーカタ、マミドーマ、稲しり節、小浜節、馬武者と演目は続いた。

 ミルクが舞台から退出すると、今度は福禄寿が登場。赤馬節、夜雨節、めでたい節、かたみ節、稲しり節、前の浜節、馬武者と演目は綴られていた。

 座ぴらきと称される子供たちが参加するこれら舞が展開した後、北村の御前風の舞の後から初番狂言がはじまり、総代のカンザルからオカタ、口説きのハヤシ、与那原節、大岳節、月のまさかい、小浜口説き、カデクと続いた。

 南の番になると、かぎやで風の舞から初番狂言の総代カンザルから口説きのハヤシ、鳩間節、猫ゆんた、浜千鳥、二合小、あがろーざ、谷茶前、久高舟と展開。

 初番が終わると舞踊や狂言が披露された。北村からの織物の苧麻を績む「ぶーぴき」、カンザク(鍛冶工)狂言、南村からの演目で、牛を引きながら、畑に鋤を入れて土を起こす作業をゆんたを歌いながらする「かしかき」、サクホウ狂言。

 そして、稲まづん、布晒しの作業を濃紺の装束3人で舞う天伽那志、真っ赤な装束に黒い笠で登場するこの結願祭でしか舞われない「はぴら」。(この結願祭でしか舞われない演目はほかにもある)そのほか、四つ竹、松竹梅 鶴亀節など、見ごたえある舞が披露されていた。

(流杉一行)

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