國吉清尚回顧展が八重山博物館で

 5月10日午前9時から石垣市登野城にある石垣市立八重山博物館で没後20年國吉清尚回顧展が開催されるに当たり、そのオープニングセレモニーが開催され、中山義隆市長が
「沖縄の陶芸史に名を残し、多くの人々に愛された氏の作品が鑑賞できる展覧会を開催できることは、たいへん喜ばしいことと考えています」と、開催の意義を述べていた。

 今回、開催のきっかけとなった25点の寄贈を実施した、石垣市出身の桃原用昇さんも挨拶に立ち、「島袋さんに國吉清尚を知っているかと聞いたら大好きですと応えられ、そのとき島袋さんから是非と寄贈してくれといわれて、快諾しました」と寄贈のいきさつも披露。

 市長からは多くの市民にみていただくのがいいとの声も受けたと、回顧展のきっかけも述べ、最後には「没後30周年回顧展の際は、新たな博物館で」と、新たな博物館建設への後押しも中山市長に注文する一幕もあった。

 この日、5月10日は、國吉清尚氏が亡くなった命日にも当たり、没後20年の記念の日で、26日までの月曜の休館を除く15日間開催される。

 今回、桃原氏の寄贈品25点のほか、國吉清尚氏のご親族、ご友人、御愛蔵家の協力の下、計66の作品が展示されている。二十歳の1963年に壺屋の小橋川永昌氏の下で陶器修業をスタート。

23歳で沖展奨励賞を受賞。東京へ出てから益子で修業後、25歳で沖縄に戻り読谷に窯を開く。以後、亡くなる55歳まで作陶に、壺屋とは一風違う独自な沖縄の焼き物の世界を追求した。

 この日、桃原用昇氏と中山義隆石垣市長と石垣安志石垣市教育長がテープカットをして同回顧展はスタート。このあと焼き物に関心ある市民や文化関係者が続々詰めかけ、國吉清尚の作品をじっくり眺める人で会場は熱気に包まれた。

 なお、11日には午後2時半から石垣市立図書館2階の視聴覚室で、八重山博物館主催の、國吉清尚に関する文化講演会も予定されている。

 (流杉一行) 

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