9月21日午後7時から真栄里公園でなかどぅ道ぬとぅばらーま祭りが開催され、300人を越す多くのとぅばらーまファンが集まり、次々に歌われるとぅばらーまを来場者は堪能していた。
今回で28回目となる「なかどう道ぬとぅばらーま」は、これまで3番アコウにあるとぅばらーまの碑の前で行われてきたもの。
今回は、3番アコウの生育状態が悪いことから、木の根元への負担をしばし回避するために、開催場所を真栄里公園に変更。かつて石垣市のとぅばらーま大会が新栄公園から真栄里公園に変更されたこともあり、広さに関しては申し分ない場所。
これまでの狭い3番アコウのそばとは大違いの環境での開催となった。
ただ、公園北側の舞台となると、雨天時の平真小学校体育館での開催に似た感じで、やはりなかどうみちのとぅばらーま祭りは、3番アコウが似合うのがつくづく実感できた祭りでもあった模様。
今回は、約30組が3つの舞踊も含めて、とぅばらーまが舞台で披露。このなかどう道ぬとぅばらーま祭りは、「歌う人が主」がモットー。
評価も歌い手自身がするものとし、自由に歌うことを大事にするとぅばらーま。よって、各舞台はどれも個性あふれるとぅばらーまで、そこが人気のイベントともいえた。
この日の第一声は、波照間に伝わる「ゆんぐと」と呼ばれるとぅばらーまの元歌とされる歌が玉城功一氏から披露され、男女2人でおこなわれる掛け合いを一人二役で歌って、重厚な滑り出しとなった。
このあと若い男女3人組によるとぅばらーま、歌の大好きな男性のとばらーま、石垣市文化協会会長で優秀賞獲得済みの嵩本安意さんのとばらーま、伊藤アヤノさん、与那覇ゆうさんと、次々に味ある歌い手がとぅばらーまを披露。与那覇さんは与那国のとぅばらーまで、石垣島では「野とぅばらーま」に分類される味あるもので、ひと際異彩を放つ歌声となっていた。
なかどう道ぬとぅばらーま祭りは、舞踊も披露されのが粋なところで、毎回とぅばらーま世界の深さを表現。
この日は3つの舞台でとぅばらーまチャンピオンらが歌う中で舞踊を披露。気の合った男女の舞に見せる深い情緒ある所作は、なるほど理想の恋仲といったところ。それぞれに味ある舞台が披露されていた。
思いのたけを歌に込めて歌われるとぅばらーまだけに、音を外そうが聴く人が歌うことを通して、受け取る気持ちがあるため、指笛で応援する反応も多く、和やかな空気の中でとぅばらーまが歌われていた。
中山義隆市長が来賓挨拶のあとに、とぅばらーまも披露する一幕もあり、また市議会議員になったばかりの新垣重雄氏も最後に登場して、「市長とは、今日は平和協定を結んでいるので」と笑いをとりつつ、選挙期間中の喉の酷使を詫びながら、大正時代の古いとぅばらーまを披露。会場を盛り上げていた。
とぅばらーまの多彩なバリエーションを歌声で表し、とぅばらーまの深い世界を具現化するなかどうみちのとぅばらーま祭りは、型にはめない、自由な曲としてある性格を示すに意義ある祭りで、石垣市主催のコンテストであるとぅばらーま大会の前夜祭にぴったりのイベントといえた。