8月5日午後1時半から石垣市開南公民館で石垣島水源地観察ツアーと銘打って、自衛隊基地の予定地そばの自然環境を見ながら、飲料水や農業用水への影響の危険性を共有するフィールドワークがおこなわれた。
これは、自衛隊基地の建設予定地に隣接する於茂登、開南、川原、嵩田の4公民館が主催し、アンパルの自然を守る会が協力するもの。
新聞紙上で呼ぶかけたところ、夏休み中の日曜にかかわらず、約80人が集合場所の開南公民館に集合した。
一行は、さっそく開南集落に隣接する岡へ徒歩で移動。於茂登前岳の南側と開南集落の間に広がる緑豊かな斜面と湿地帯を観察。
そこから大雨が降るとそこに雨水が集まり、河川となって下流に流れていく経路を、車で移動しながら、確認していった。
加えて自衛隊基地の予定地がサンゴ礁石灰岩で覆われ、雨水の地下浸透が著しいエリアであることが、露出した地層などで確認された。
また内陸部にかかわらず多くのクロヨナなの木が繁茂するのを見て、昔、海岸だった場所であることも参加者は確認していた。
下流域を移動した先にヘーギナーの取水場にたどり着いて、そばの大浜取水場を確認した一行は、自衛隊予定地が市民の使う飲料水と農業用水と密接かかわる危険性を確認。なんらの調査もなく、予定地として進められることの不可解な建設計画を、改めて実感していた。
一行は、その下流にあるヘーギナーの取水場周辺や大浜地下水源地を視察して、生活用水、農業用水と基地が密接につながっている事態を確認していた。
共同代表の嶺井善氏は「自衛隊基地の予定地の地盤は珊瑚消石灰が深く続いており、水の地下浸透の能力が高いことが予想されるので、排水溝を基地外部へ出さないで地下浸透をさせる排水をすれば、汚染物質を捨てても周辺住民には全くわからないことになる。これは恐ろしいことだと思う」と述べていた。
(流杉一行)