6月22日午前9時から八重山警察署3階調授場で日本防災士会沖縄県支部長による防災講話が開催された。
会場には警察部外者23名を含む50名の参加者が集まり、講師の新城格さん(日本防災士会沖縄県支部長)が「大災害への備え ~災害対応の問題」と題して、講話を実施。
大規模災害の教訓として、災害は必ず繰り返しやってくるもので、いつでもどこでも想定外で発生することを強調。
防災の基本として、公的機関には期待できないこと。自助と共助の精神が大事で、自助とは自分の命は自分で守ること。共助とは地域社会で助け合うことが大切であることを述べていた。
なかでも地域でのコミュニケーションの大切さを述べ、西原台団地自治会自主防災会たよりを紹介して、地域で防災に関する情報を共有することを実践している例を見せていた。
南海トラフ地震が20年間の被害推計が最大で1410兆円と、土木学会の報告書の内容を示すなど、関心をひくことで、地域の話題にしていた。
また、東日本大震災の痛ましい映像をスクリーンに展開。また大災害の教訓として、避難所の運営に関して、女性への配慮が欠けており、避難所の運営を任す必要性を述べ、提案していた。
加えて、ボランティアの対応は社会福祉協議会が実施するものだが、八重山では必要なボランティアが、海を隔てて呼び寄せることのむつかしさを指摘していた。
新城氏は石垣市の防災マップの取り組みを高く評価していた。
昨年も実施されたこの講話。今回も、災害時の最大の問題として、人倫の問題に触れ、目の前で被災する人を救おうとして流された人が、東日本大震災ではたくさんあり、その映像シーンを見せながら、予めの絆と備えることで被害をなくすことが大事だと、今回も結んでいた。
(流杉一行)