サンゴ礁保全・再生に向けたローカル環境認証のアプローチ

 5月19日午後1時半から「サンゴ礁保全・再生に向けたローカル環境認証のアプローチ」が環境省国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターで開催され、約45人のサンゴ研究および、海に関わる事業者らが参加して、サンゴ認証に関連した活発な意見が交換されていた。

 サンゴを保全する活動を、認証することによりエンドユーザからの支援を受ける。その認証制度を、いかに作り上げるかに、様々な研究者が意見を出し、自ら書いた本のアピールをしながら、将来的なサンゴ保全の形を模索する。

 この日は、八重山地方のサンゴの状況を発表し、赤土対策の促進事業を紹介するなど、地道なサンゴ保全を陸側で取り組んできたサンゴ礁再生基金の話や、サンゴ認定制度の構想を紹介する研究者および、地域で生み出される「ローカル認定」の事例の紹介など、石西礁湖における認定制度の可能性を模索してきた集大成が、この日、披露されていた。

 離島における持続可能なツーリズムと題する講演では、観光が生み出す巨大化観光市場へ、いかに対抗して自然の保全につとめて、取り組むべきかが、模索されていた。

 会の最後は、観光業者、自然ガイド、市当局、サンゴ保全研究者、環境省など、それぞれ代表する形で加わるシンポジュームが開催され、サンゴ保全の大切さを理解する人々で、認証制度への期待が語られていた。

 石西礁湖の再生事業が取り組まれて10年。国際サンゴ礁研究モニタリングセンターができて18年。

そして国際サンゴ礁年の今年、ようやく見えてきた再生への制度的な取り組みの骨子だが、現実への実際の機能がいつになるか。

観光の沸騰で保全が心配される八重山の自然を、どうやって守るのか。注目の取り組みは、まだ途上ではあるが、多くの島の住民が、この前進に気づくことが、望まれる。サンゴ認証制度の可能性を大いに期待したい。

(流杉一行)

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