古文書に親しむ市民が参集 耳学問の会開講

 5月12日午後2時半から石垣市立図書館2階洋会議室で平成30年度の耳学問の会が開講し、19人の受講生が参集していた。(募集人員は25名で、募集して3日で満員とのこと)耳学問の会は今年で18回目となる。

 この日から毎月第2第4土曜日の午後2時半から4時半まで、講師に元石垣市立八重山博物館長の宮良芳和氏を招いて、石垣市史叢書23 参遣状(喜舎場永珣旧蔵史料)3」をテキストに、古文書(こもんじょ)を読み解いていく。

 挨拶に立った石垣市教育委員会の桃原直氏は、「古文書を通して八重山の歴史、文化に触れそれを紐解くことにより、それらを築きあげてきた先人達の労苦と努力を知るいい機会となりますので、どうぞ最後まで気軽に参加して頂きたいと思います。」と述べていた。

 古文書には、首里王府が八重山における物価を細かに規定していた記録も有り、その中に与那国の猫を人夫3人分(労役の3日分)と交換する記述が有り、宮良氏もなぜだかわからないと、面白い記録を紹介していた。

  与那国の猫がねずみをよく獲ったのか、あるいは食べるためのタンパク源なのか。そんな関心をそそる話題が時々紹介されていた。

 この日、出席した大阪から移住して13年になる中谷照雄さん(70)は、八重山民謡を老人クラブ趣味の会で習っていて、民謡についてもっと詳しく知りたいと耳学問の会で古文書を読んできたという。

「これまで5年間学んできた。今年で6年目になります。首里からの役人が3年ごとに赴任してきたことや、人口が増えた1695年はイモが入ってきた事によることや、八重山が間切りで区分けされていたこと、強制移住で「ちんだら節」が生まれたことなど、古文書を通じてわかることがたのしい」と述べていた。

(流杉一行)

この記事をシェアする