4月1日午前11時から新石垣空港消防車庫前で新石垣空港消火救難・航空灯火業務の民間委託のスタートに際して、民間委託開始式がおこなわれた。
まず経過報告が新石垣空港管理事務所長の具志堅広一氏からおこなわれた。
新石垣空港の消火救難・空港灯火業務の民間委託は、平成28年10月から進めるよう市長からの指示でスタート。
29年1月に管理事務所・消防職員がすでに民間委託を実施済みの宮古空港管理事務所、下地島空港管理事務所を視察・意見交換を実施。5月に民間委託基本方針を作成し3年間の長期契約での委託での民間委託仕様書が7月に作成。
議員への説明を経て、第一回選定委員会が11月に開催され、12月に下地島空港施設株式会社が優先交渉権社として決定。今年3月1日に業務委託契約を締結。
かく経緯を具志堅氏から報告されたあと、中山義隆石垣市長が挨拶に立った。
「多忙を極める空港業務において、国際観光化もまたすすみますが、空港は島の足でも有り、何事も安全に取り組んで頂きたい。そんな中、何かあった時は、しっかりした対応をしていただきたい。」と、激励していた。
このあと挨拶に立った下地島空港施設株式会社の三田克則代表取締役は、
「第三種空港として有数の新石垣空港の消防・灯火業務の民間委託に応募したところ、選定されました。下地島空港、宮古島空港の経験とノウハウを生かし、業務に邁進していくつもりです」と述べていた。
これにより職員配置は、消防8名、灯火7名の計15名。これまで消防のスタッフは、正規の消防職員4名に臨時4名が当たっていた。そこを、正規の消防は本部に戻り、臨時職員が新しい民間委託会社から雇用されて、従来の業務につくことになる。
さて、365日、24時間体制で15名が取り組むことになるのだが、万が一の航空機事故を想定すると、最南端八重山にあって、沖縄本島から400キロ離れた空港であれば、まず緊急事態への支援は遠く、しかも新石垣空港のある盛山地区は、周囲が農地で不測時に素早く集まれる人の数も少ない。
常時、消防は3名、照明は2名が詰めるというが、旧空港に比べて市街地に遠いことを考えると、支援に集まれる人を未然に考えておく必要はあるのではないか。
法律で決められた規約にある通りの配置で、問題はない人的な対応だが、民間委託で大事なことを投げてはならず、どこか気が楽になっていないか。
右肩上がりの観光入客数である。八重山の玄関口の非常事態の最も早い対応を迫られる最先端現場を、これまで同様の少数でしかもボスが他の島の者にまかせる不安はないか。
オーバーラン経験がある島が、無事故の島からノウハウを学ぶ感覚は、少しだが解せないのもある。
そういうものなのか。税収が上がらない観光振興は、万が一のリスクには目をつむらざるを得ないのか。市民の英知を結集して、不測時の対応策を考える必要はないか。オーバーラン現場を知る元職員もいよう。
航空事故対策訓練では、医療用資材を運ぶトレーラーはあるが、負傷者を運ぶ担架が少なかったように思える。
倉庫奥に満載されているかもしれないが・・・。あとで倉庫の奥にあったと知っても、不測の事態で使われなければ意味がないのでは。
とはいっても、不測時のこと。まず杞憂であれば、いいのだが。
(流杉一行)