9月29日、午前10時に八重山署玄関で衆議院議員総選挙違反八重山署取締本部の看板が、八重山署の与那嶺一文署長と内里貢刑事部長により設置された。

　与那嶺署長は「平成26年の前回同様に、名護市辺野古の米軍基地建設の是非が最大の争点となり、熾烈な選挙戦がおこなわれることが予想され、短期間の選挙のために、現金、買収、詐欺投票など実質的な選挙違反発生が懸念されることから、選挙の自由と公正の確保を図るために、取締本部を設置することとなりました」と述べていた。

　具体的には、選挙人、運動員に対する饗応・買収、公務員の地位利用による選挙違反、詐偽投票、選挙の自由妨害事犯、計画的組織的な刑事犯、暴力団の介入する各種選挙違反などを重点として取締を推進するとのこと。

　沖縄県下の全県警あげてはじまった衆議院解散の次の日の取締本部の設置は、準備期間なしにやってきた国政選挙であれば、規模の大きさもさることながら、短期の選挙戦であり、また最大野党が解党する激変の選挙戦で、与党がしがみついてきた絶対的有利な議席を、投げ打つ解散でもあり、各党の思惑も激しく揺れる状況がある。この混乱に乗じる違反常襲の輩の動きの有無。その集約に、全力が注がれる模様。沖縄県警には、国政の専権事項である防衛に関わる国策行使の意志と県民の基地負担75％に対する建設反対意志の二つの意志の狹間で、公正さを確保する使命が担われていることになる。

（流杉一行）