8月4日午前10時頃からイヤナス御嶽における豊年祭(プール)が行われ、多く氏子・市民が見守る中、神司による祈願が関係者一同が御嶽の前に揃う中で行われた。
30分頃には、恒例のミシャグパーシィが行われた。御嶽に捧げられた神酒(みす)を頂き、お囃子を舞い歌うもので、4人の給仕役の注ぎ手と頂く4人の客が、それぞれ器を手に高く掲げて、古式ゆかしい光景を見せた。四ヵ字豊年祭のスタートの儀式がこの登野城村のイヤナス御嶽でのオンプールで、この御嶽自身、島に最初に稲の種子をもたらしたとされる伝説が遺される場所でもあり、関係者の敬虔な想いともに、歌われる方言の響きを大切に記録する人も大勢集まり、儀式を見守っていた。
今年の村への五穀豊穣を神に感謝するとともに、来夏世の豊年満作を祈願する豊年祭は、神司からの報告を受けた御嶽の主が集まる人へマイクを通じて、内容を披瀝するなど、周囲への配慮も意識された催しになっていた。
このあと、来賓の挨拶があり、中山義隆市長が挨拶に立った。乾杯の音頭がとられ、太鼓の奉納と婦人会の舞踊が2曲ほど奉納されたあと、お開きとなった。
これから四ヵ字では、明日の真乙姥御嶽でのムラプール、アヒャーマ綱、そして新川番所近くでのツナノミン、大綱引きまで、各字の御嶽で興ってくる賑わいのはじまりでもあり、この日に備えて、日々暑い中、様々な想いのもと、各村の各担当者の取り組みの見せ場でもある。今年の、約3万人近い中心市街地の伝統行事、豊年祭のはじまりである。
(流杉一行)