6月23日、午後3時から石垣市バンナ公園Aゾーンにある八重山戦争マラリア犠牲者慰霊塔で八重山戦争マラリア犠牲者追悼式が開催され、多くの市民、遺族関係者約250人が参集した。
挨拶に立った八重山戦争マラリア遺族会会長の佐久川勲氏は、自らも6才で終戦を迎え、マラリアに罹った苦痛を実体験する氏は、同遺族会名誉会長の篠原武夫氏が軍の命令でマラリア有病地帯へ一般住民を移動させた国を追求して、国を認めさせた功績を讃えるとと、もに、後世にこの事実を伝えていく必要性を強く訴えていた。
「過去に目を閉ざす者は、現在に同じ過ちを犯す運命にある」と述べ、この地より世界における平和を心より祈りますと、締めくくった。
このあと、遺族会による歌が披露されたほか、平和を誓う「とぅばらーま」が昨年とぅばらーま大会で優勝した今村氏により歌い込まれて、犠牲者を慰めていた。
一般焼香では多くの市民・関係者が手を合わせて、犠牲者の冥福を祈っていた。中には、焼香しながら涙ぐむ人もいて、72年の歳月が経っても無念想いが募る実態が見えていた。
(流杉一行)