2年前のきょう、つまり2015年2月16日は、嵩西洋子さんが地域特産物マイスターに認定された日。どうしてこんなことがわかるかって? じつは、やいまタイム「今日の暦・歴史・天気」を開くと、「今日の日の八重山の10年間の主なできごと」にそのことが記されている。実にやいまタイムは話のタネの宝庫でもある。
で、あれから2年後のいま、嵩西さんはどんなことをやり、どんなことを考えておられるのか、農場を訪ねてお話をうかがった。
その前に、地域特産物マイスターとは何なのか、ネットで調べると、「地域特産物の振興を図るため、栽培・加工等の分 野で卓越した技術能力を有し、産地育成の指導者となる人材を認定・登録して技術の 伝承・開発、相互交流、組織化等を推進し、地域特産物の産地育成を支援」するものだという。公益財団法人日本特産農産物協会が認定する。嵩西さんは八重山初の地域特産物マイスターである。
「ピパーチ」の品目でマイスター認定となっています。
「2000年にハーブソサエティに入会して、足元を見たとき、ピパーチに目が行きました。日本国内ではコショウ科の植物は非常に少ない。八重山ではフウトウカズラもコショウ科だけど、葉や実を食用、薬用として生活圏でつかわれてきたのは国内で唯一ピパーチだけだと思います。郷土の懐かしい親の味であるピパーチを掘り起こして地域に広げ、この島の特産物にしたいと思いました」
嵩西さんはピパーチのことを「太陽の光を受けて、香りが散る」植物と。
「試行錯誤を重ねて、やっと2007年に苗の増殖栽培に成功しました。それまでは、根は活着するけど実ができるまで4、5年かかった。それが成木のトップを切って差し木するとその年から実がつくことがわかった。この確認は画期的なことだったと私は思います」
方言で、石垣ではピパーズ、竹富ではピーヤシ。「ピパーチ」は?
「私の造語。普及するにあたって、それらを統一した名称が必要だと思って、2003年頃、ペッパーに通じるピパーに、ふるさと与那国のチバティのチをとって、ピパーチとした。2015年に石垣で開かれた全国ハーブサミットのとき、運営委員会で名称の話が出て、私はずっとピパーチで普及してきましたと言ったら、それで統一しましょうとなりました。だからマイスターに認定された品目もピパーチです」
ピパーチが最近ブームになっているようです。
「ピパーチには毛細血管を広げて老化を防ぐ効果があるとテレビで紹介されたために、私のところにもひっきりなしに電話が来るようになりました。純然たる島のものが欲しい、高くても買いたいという人がいっぱいいて、需要はあるのです」
「私の製品は、無農薬で栽培し、80%以上に熟した実をつかうのが特徴。すると、赤い色の、採れたての果実の香りのする、いいものができる。辛さも違います。今後これを(外に)たくさん売りさばくのではなく、ここに来てもらって、たとえば愛媛に行ったらミカンが見えるように、ここを訪れた人たちに見てもらい、食べてもらう」
「沖縄がピパーチの北限だといわれていますが、沖縄本島と石垣では収穫までに60日も違います。やはりパインと同じようにここがピパーチの適地なのです。葉っぱを摘んでてんぷらにして食べたり、実をつぶして一緒にコショウをつくったり、体験して食べてもらって、お土産にする。観光とリンクさせてピパーチを普及させていきたいですね」
最後にピパーチのおすすめの食し方を。
「私は、朝おきるとコーヒーを飲みますが、そのときに、コーヒーにピパーチの粉をひと振り入れて、そこにハチミツか黒糖をいれて混ぜて飲みます。目覚めもいいし、体の動きを良くしてくれますね」
嵩西さんのブログはこちらをごらんください ↓ ↓ ↓
やいま広場 > 嵩西洋子の八重山のハーブ
http://yaimatime.com/yaeyama-herbs/