9月23日午後2時から石垣市総合体育館メインアリーナで、明日実施される市長杯卓球大会(八重山卓球連盟主催)を控えての卓球教室が実施された。
この日は日本生命の卓球部総監督の村上恭和氏が招かれ、参加者の40名に指導を実施。
互いにカットを繰り返すことや、カットでバック側フォア側と左右に振り役と返す役で応酬することなど、細かにラリーを決めて練習を実施。
十分に体を温めたあとは、全員の競技する台をジャイケンで決め、11本マッチを6対6からスタート。勝てば台を会場右側手前台に近づき、負けた方は遠ざかる側の台へ移動。移動先に新たな対戦相手と次なる勝負をして、また移動と、勝ち進めば最後は右側手前の台にたどり着くことになる。
この一風変わった練習は好評で、参加者は真剣に競い合って、あっという間に時間がたっていた。途中、園児、小学生、中学生、高校生にハンデが2点与えられ、子どもたちも意欲的に参戦。会場は大いに沸き返って競技に熱を帯びていた。
このあと、村上恭和氏が参加者を1台の卓球台に集めて卓球教室を実施。参加者の質問に実技で答えるもので、この日のために、2019年全日本マスターズ50代の部で優勝したニューヨーク在住の華原張さん(61)と、1986年全日本大会で村上氏とダブルスを組んで優勝した李羽翔さん(67)に実技面でサポートを依頼。流暢な日本語を使う二人は、軽快な体さばきで鋭いラリーを披露したあと、質問に答えるための玉さばきを見せていた。
最後に、先の6対6での勝ち進む競技で、右側手前の台の4台に到達した選手に賞品が贈られたほか、子どもたちへも賞品が用意されていて、健闘を讃える村上氏から笑顔で表彰されていた。
この日賞品を受け取った一人、西村幸吉さんは76歳。抜群の反射神経を見せていた。卓球の魅力を訪ねると、「球の弾く音に没頭できるのが最高です」と、卓球台で球が弾く音のリズムと一体になるのがよいようだ。
卓球競技は、かつて球が直径34ミリサイズだったものが、今は38ミリサイズに変更。大きくなったことでラリーが続きやすく、見ごたえある競技に変身したことで、見る人も増え、プロのリーグも生まれている。若干重量も増え、スピードも落ちて、初心者でも楽しくできるので、今まで以上に人気が増している。
村上氏は卓球台寄付事業を実施する一般社団法人卓球ジュニアサポートジャパンの代表理事でもある。
2018年6月16日には、来島して24台のこども卓球台を石垣市へ贈り、それらは幼稚園に寄贈されている。
2020年にはオリンピア卓球教室を開催したおりも来島。石垣島での卓球指導にも協力している。
今回は、市長杯の前に卓球教室を開催。「こうして普及を図って、卓球人口を増やしていきたい」と、村上氏は意欲的に石垣島の卓球愛好家のために貢献している。
(流杉一行)