今季の狩猟期間の終了となる2月15日を目前に、2月12日午後3時から底原ダム北側の鳥獣慰霊塔で沖縄県猟友会石垣地区による恒例の鳥獣魂供養の碑慰霊祭がおこなわれた。
この日の午前には共猟も実施され、約40人の参加者で3頭のイノシシを伊原間地区で仕留めた一行は、午後から鳥獣魂供養の碑慰霊祭に臨んだ。
キジとイノシシの頭と供物などを魂供養の碑に奉納して、祈願文を捧げたあと、参加者は一人一人、線香をあげて手を合わせ、今季狩猟により、人へ肉を提供してくれた鳥獣へ感謝の祈りを捧げていた。
この日の3頭は、60キロと40キロと30キロで、農家からの駆除の要請もある狩猟で、趣味を兼ねた地域貢献にもなっている狩猟。イノシシの農業被害が後を絶たない現状は、今も変わらないのが実情。
この日、祈願を終えた後、石垣克治地区長が挨拶で、農家へは、イノシシの密度の軽減のためになるよう取り組んでいるが、農作物への被害が起こらない工夫もお願いしているとし、また罠の会員には、人が通る可能性を忘れずに、人が見て罠とわかる表示に務めてほしいと、述べていた。
異常気象などで、山の様子にも変化が見える昨今、年によって少なくなるドングリなどの山の幸減少の影響で、イノシシが山から下りることから、田畑で農作物の味を覚えるきっかけとなっている模様。
島全体の山の自然状況への眼差しも、必要なところがあるはずで、天然記念物の存在や、生物多様性の維持を図るうえで、また乱開発への監視もほしい自然環境保全の配慮。
イノシシは牙を見れば年齢がわかるとされ、イノシシが若くして異様に太っているのは、農作物を食べて太るケースで、獲れたイノシシの様子でも被害の状況が示されているとも。
(流杉一行)