喜舎場永珣の企画展開催 「喜舎場永珣と資料」 11月22日まで

 10月24日午前9時から石垣市八重山博物館で企画展「喜舎場永珣と資料」が開催された。11月22日まで実施されるもので、八重山文化研究の礎を築いたことで知られる喜舎場永珣が、没後50周年を迎えた節目に八重山博物館の開館50周年も重なり、この企画展の開催となった。

 この日は、多くの郷土史家や八重山の歴史に関心のある人が多数来場して、会場に設置されたパネルや、写真、喜舎場永珣が遺した資料・調査ノートなど、喜舎場永珣コレクションと呼ばれる、喜舎場永珣が遺した資料をじっくり鑑賞していた。

 このコレクションの石垣市への寄贈は平成24(2012年)年8月に実施されており、八重山博物館で2014年から2017年にかけて調査がされ、文書資料231点、証書・辞令書167点、調査ノート234点、写真資料447点、音声資料37点、図書資料1091点、新聞資料109点、スクラップブック56点、その他11点。計2938点、554が没後の刊行物で、それを引いた、2384点が喜舎場永珣コレクションとなる。

 会場には、全資料が積み上げられて、その膨大さが分かるようになっていた。八重山博物館の全資料点数は2万数千点あることから、喜舎場永珣の資料だけでその1割を占めることになる。

 なお国庫事業で調査が平成29年(2017年)から開始されている。2018年には、喜舎場永珣資料報告書が発行され、目録が制作されている。

 なかでも234点の喜舎場永珣ノートは、215冊が直筆のノートで残る19冊が記録されたものを譲りもらったもので、記録されたノートの分野は歴史、民俗、歌謡、文化財、説話、芸能、人物、文化一般、自然、写本と多彩。

 聴けば、現状で済んでいる調査の内容は収集物や調査ノートなど喜舎場永珣の書き残したもの分類と概要調査が主で、喜舎場永珣の研究活動に関する細部に渡る調査はこれからの模様。

 喜舎場永珣が生きて、調査活動を実施した100年以上前の八重山の様子が、この資料の内容を市民が接することで、昔あった八重山の原風景が市民の心に蘇ることにつながり、故郷を愛してやまない八重山出身者には、大事な資料といえそう。

 10月24日には、寄贈した喜舎場永珣の子息、木場一寿氏(元沖縄県八重山支庁長)が訪れて、資料を見ながら、かつて資料を毎年虫干した時代を懐かしく思い起こし、周囲に語っていた。
 

 (流杉一行)

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