4月4日、午前10時頃、大浜海岸近くの草地でイワサキクサゼミが鳴いているのが見られた。
「ジーー」と鳴き始めると、近くからも応えるように別個体が鳴きはじめ、初夏を感じさせる風情が草地一体にに漂っていた。
この日本一小さなセミは、全長16㎜から25㎜できわめて小さく、葉に乗って鳴くも、小さい割に鳴き声が大きく、すぐ近くにいるのに見つけるのが難しい。
この初鳴きの時期は日差しがないと鳴き止んでしまう。およそ7月頃まで鳴き声が聞かれる。
1898年に就任した第2代石垣島測候所の岩崎卓爾所長が、石垣島の昆虫の標本を昆虫学者に多数送っており、昆虫学者から敬意を込めてイワサキの名がついた昆虫が、9種あり、その中の一つでもある。
セミだけで3種あり、イワサキクサゼミのほか、イワサキヒメハルゼミとイワサキゼミがある。イワサキヒメハルゼミは、4月中旬から鳴き、イワサキゼミは7月から12月下旬まで見られる。
(流杉一行)