東川平成人さんがチャンピオン 令和3年第75回とぅばらーま大会

 コロナウイルスの蔓延が収まらない中、9月30日まで緊急事態宣言下にある沖縄県であるために、今年はとぅばらーま大会が無観客による開催となり、ネット配信によるオンラインでの一般視聴となった。

 配信するのは石垣サンサンラジオによるユーチューブ動画と、ICT(石垣ケーブルテレビ)による生中継で、会場の石垣市民会館は入口が閉鎖され、一般客は入れない中実施された。

 9月19日午後6時20分から石垣市民会館大ホールではじまった令和3年第75回とぅばらーま大会は、歌唱の部に17人が出場。

 チャンピオンには、白保出身の東川平成人さんが選ばれ、念願のトップの座を射止めていた。とぅばらーま大会への挑戦をはじめて15年。糸満や沖縄本島の全島大会で優勝してきた東川平さん。5年を費やして本場の石垣島のとばらーま大会のチャンピオンの座を手にした。

 この日、トップバッターの平良昌裕さんから次々に郷土が誇る叙情歌とぅばらーまが披露され、会場は哀調ある三線と横笛の音色に合わせて、思いの丈を歌詞に込めたとぅばらーまが披露されいた。

 司会者から方言で綴られている歌詞の説明がおこなわれ、出場者の思いが聞く側に伝わる形で、舞台が進行していた。

 会場は、無観客で実施され、チャンピオンの東川平さんも「指笛や拍手もなく、歌う側には張り合いがなかった」と、残念な大会となっていたが、「上がり症の自分には、よかったかも」と、のびのび歌えたことがよかったとも。

 優秀賞には平良昌裕さんと玉代勢秀弥さんが、努力賞には西島本寿乃さんが選ばれていた。

  昨年はチャンピオン該当者がなしとなり、寂しい締めくくりとなった大会だった。

 今年は、オンラインというこれまでにない大会運営で、盛り上がりが心配されたが、見事な歌声が揃い、チャンピオンも選ばれ、静かな会場ながらも充実した大会となっていた。

 なお作詞の部では、最優秀賞に廣田律子さん、優秀賞には田本佳信さんと松原秀吉さん、佳作には大盛清子さんと黒島師孝さん、特別賞には砂川生羽さん(伊原間中学校)、仲宗根佳子さん(白保小学校)、我如古渓さん(石垣第二中学校)、前泊佑丞さん(石垣中学校)、髙嶺大弥さん(川平中学校)が受賞。それぞれ歌が披露されていた。

 歌唱の部では、講評が審査委員長から行われ「タノールがないものや、方言の誤りがあるもの、意気を長くしすぎるものがあった等、残念な舞台があったことが紹介されていた。

 コロナ下での開催が危ぶまれた大会だったが、無観客での開催ながらもチャンピオンの輩出ある大会となり、見事な歌声に多くの人を魅了した大会となっていた。

 (流杉一行)

この記事をシェアする