第87回八重山地域新型コロナウイルス感染症対策本部会議が8月13日午後3時から沖縄県合同庁舎2階大会堂で開催された。
この日発表の新規感染者数は23件。石垣市在住が18名。石垣市以外の八重山管内在住者が4名、沖縄本島在住が1名。
男性が12人で女性は11人。
10代が4名、20代が5名、30代が5名、40代が3名、50代が1名、60代が5名。
職業は飲食業1名、サービス業5名、学生2名、会社員3名、確認中は12名。
このうちの濃厚接触者が12名で内訳が家庭内感染が5名、会食が1名、友人が6名。
八重山病院には21人が入院(中等症4人、軽症13人)。石垣島徳洲会病院には1人が入院(軽症1人)。ホテル隔離37人、自宅待機91人。
この日発表の新規陽性23件で、深刻さが見える。昨日発表の新規感染数が25件、その前日が23件で、3日連続の20人越えはこれまでになく、3日間で71件、ここ10日間では157人の新規感染者が出ている。
今年5月31日に公表された30日の新規感染者数25件の前後10日間でも、151人が新規感染しており、今、このゴールデンウイーク明けの感染拡大時と同等以上の状況にある。
新規陽性者が増加すると、行動歴の聞き取りに関わる医師や濃厚接触者の特定に関わる保健婦らの業務は破格に増え、調査精度への不安は自然に発生してくる。
新規感染者数が、全員濃厚接触者で追い切ることで、感染拡大を抑える方針は、遥か昔の物語に聞こえてくる。
この日の23人中濃厚接触者12名で、感染源不明が11人。沖縄本島在住者1人をのぞいて、全員が八重山管内ともなると、市中感染の度合いは濃厚さを増してくる。
この日、比嘉保健所長は「沖縄本島でのデルタ株の置き換わりの進行ぶりを見るに、八重山も同様に進行するものと見ている」と、デルタ株の市中感染がはじまる事態を示唆していた。沖縄本島では794陽性検体中595がデルタ型と判明。八重山でも16検体中11がデルタ型。厳しい現実だ。
デルタ株は、2mの距離ですれ違うだけで感染と、その感染力は破格。濃厚接触での感染チェックでは、追うことにならない。一時期、デルタ型はファイザーワクチンが効果あるといわれた。今は、3回目のワクチン接種が言われ始めている。
ともあれ、感染力高いデルタ型の置き換わりを想定すると、細かにマスクと手洗いをこれまで以上に厳密に実施し、ウイルスとの接触を防御する必要が出る。これまでと同様の対応では、まだリスクがある。が、それさえ徹底できなかった人の濃厚接触者の陽性感染拡大の事実は、あまりにも先が見えすぎている。
さて、本土ではすでに医療崩壊に近く、自宅待機者からの死者が発生している。軽症と見られた人が突如呼吸困難に陥って、病院のベットに空きがなく、あるいは連絡が遅れて、命が失われる事態が始まっている。
それが、危機感の実感ない人や誘惑に負けやすい人、あるいはストレスを理由に弛緩してしまう人により、感染拡大を助長。この事態でもまだ、弛緩して街中をぶらつく若者が、自己責任と捌かれてしまう事態が、ベット数の空きがないことで、実現してしまう。
そこに、ワクチンが打ちたくても打てない人が犠牲になるのは、なんとかしてほしいところだ。
ワクチン接種困難者の特定を急いで、何らかの優遇措置を早めるべきでは。
(流杉一行)