4月2日、午前9時半頃、石垣市新栄町にインドハッカが2羽飛来しているのが見られた。
インド、アフガニスタン、ネパール、ミャンマー、中国南部で留鳥として生息。日本や台湾、オーストラリア、ニュージーランド、ハワイなどでは、飼われた個体が逃げて、繁殖して各地に見られる野鳥で、日本では外来種と位置づけられている。
八重山諸島で見られるインドハッカは、台湾で逃げた種が繁殖して増え、飛来するケースと推測されている。
この日、雌雄と思われる2羽のインドハッカが仲良く寄り添い、周囲を警戒していた。
雄は小さなカンムリ羽があるという。営巣するでもするかに、仲良くいるのは微笑ましい。
午前10時頃には、新川・平田原の水田にヘラサギが飛来して、水が張られた田んぼで餌をあさっている光景が見られた。
ヘラサギは、中国、インド、アフリカ、欧州など広範囲に生息しており、八重山にはクロツラヘラサギといっしょに飛来することが、これまで何度かあった。
ヘラサギの生息地は世界に広くあるも、クロツラヘラサギは朝鮮半島と中国の東側にわずかに生息するだけで、その希少性は高い。ヘラサギは世界的には珍しくないが、八重山には久しぶりの登場。
この日、レンタカーで島を回りながらバードウォッチングする観光客が、遠目でヘラサギを観察しているのが見られた。
午前11時頃には、名蔵や白水などの水田地帯に観光客が乗るレンタカーが数台見られていた。地元新聞紙上にブロンズトキ19羽飛来の記事から、捜索している模様。
午後3時頃には、水田にブロンズトキ18羽が田植えの後の水田で、周囲を警戒しながら、餌となる水性の生物などを勢いよくついばんでいた。
18羽は同じ方角を向いて一斉に水田の水底や草の根元などをつつくなどして移動。分散しないように、つきず離れず上手にまとまって移動していた。
時折オサハシブトガラスが脅すように突進するように飛来すると、一斉にまとまって逃げ出していた。逃げた先でもまた同じカラスに脅されて、旅する野鳥は楽ではない。(カラスの3度目の威嚇以降は、相手にせず結構図太いところもある模様)
そばには4台ほどのレンタカーが水田地帯で集まっているのが見られた。
ブロンズトキは2019年に石垣島に初めて飛来。愛鳥家を喜ばせた。当時は初の飛来で大いに盛り上がったが、今回の群れでの飛来は、愛鳥家を大いに驚かせている。
ブロンズトキは、翼の光沢が鮮やかで、近づけないとその美しさはわからない。遠目では黒い野鳥にしか見えないのだ。光沢があるコゲ茶色のトキをブロンズトキという命名は見事だが、光沢が映るように撮影するのは結構厳しい。
4月にはリュウキュウアカショービンの飛来がある季節。夏鳥が続々入ってくる時期に入っている。この時期、旅鳥、迷鳥などの飛来でも、営巣でも起こってくれると、うれしい限りだが。
(流杉一行)
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