サンゴの日「きいやま商店」トークセッション ミニライブ 国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターが20周年

 環境省国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターが2000年5月12日に開所して今年度で20年の節目を迎えることから、その記念行事がおこなわれた。

 3月5日には、八島小学校で5年生40名にサンゴミニ講演会が実施された。石西礁湖再生協議会会長の土屋誠(琉球大学名誉教授)氏が講師となり、サンゴ礁の役割をやさしく解説。白化現象などサンゴの現状の説明もしていた。ワークショップも行われ、同モニタリングセンターの表札看板をサンゴの礫で文字をつくり製作。

 3月6日には、コロナ禍を配慮してオンラインイベントを実施。FM石垣サンサンラジオの動画サイトで誰もが見られる形で発信された。(撮影場所は環境省国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター)

 内容は、東岡礼治環境省沖縄奄美自然環境事務所長が主催者挨拶したあと、5日のワークショップで制作した看板のお披露目が行われた。

 このあと、サンゴサポーターの「きいやま商店」が土屋誠名誉教授とのトークセッションがおこなわれた。「きいやま商店の」素朴な疑問に対して、土屋名誉教授はサンゴの知見が深まるようにわかりやすく解説していた。

 後半には、土屋名誉教授と環境省石垣自然保護官事務所の自然保護官が同センターが開所してからの20年間を、八重山に起こった事柄と共に振り返り、サンゴ礁保全に向けた取り組みの歴史を検証。

山本以智人上席自然保護官が土屋名誉教授にセンターの取り組みぶりの感想を聞くと、土屋名誉教授は、

「こどもパークレンジャーなど子ども達へ向けた事業はすばらしいと思います。2002年からはじめられたと聞きました。当時の子ども達はもうすでに30代手前になっていると思われます。もうお父さんお母さんになっていると思われますが、事業の効果はどうなっているのでしょうか。当時の子ども達が今はどう成長しているか知りたいと思います」との土屋名誉教授の質問に、

「島の子ども達は、島を離れて島外で働く人が多いのですが、島の自然の良さを思い出して、島に戻って、自然を大切にしてくれているとうれしいと思います」と、予期せぬ質問にレンジャーも少し驚いた様子で応えていた。

 確かに多くの子ども達が、子どもパークレンジャーとして体験イベントに参加。あの子ども達が親となって、何か動きがあった話は、あまり聞かない。そこは、きつい突っ込みに見えた。

 また、環境省が2018年に策定した「自然再生全体構想2019―2023年行動計画」について、土屋誠名誉教授は「実行しなければ反省もできない。是非読み返して取り組んでほしい」と要望を述べて締めくくっていた。

 講演「サンゴは魚とお友だち!?」では国立研究開発法人水産研究教育機構水産技術研究所主任研究員の名波敦氏から、サンゴを活用して生きる魚たちの生態を子どもにもわかりやすく解説。

隠れ家、餌とり、寝床などサンゴを活用している魚の生態を、水中動画を見せながら、わかりやすく説明していた。

 このあと、「きいやま商店」によるミニライブが行われ、「僕らの島」「この歌届け」「1、2、サンゴー!」「ドゥマンギテ」「沖縄ロックンロール」の5曲がWEB視聴者にとどけられて、中継する撮影会場も大いに盛り上がった。

(流杉一行)

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