9月5日、午後4時から行われた八重山地域新型コロナウィルス感染症対策本部会議が、県合同庁舎(前八重山支庁)の2階大会議室で開催され、1名の陽性が判明した。
この日も、非公開で記者退席の中、関係機関への報告と話し合いがもたれ、閉会後に記者へのブラさがり取材が許された。
9月4日時点で4名の行政検査から1名の陽性が判明。20代女性のホテル従業員(国籍未調査)で、48例目の陽性反応者(外国籍)の濃厚接触者だった。
沖縄県は、この女性の感染発表から、この石垣市の同一ホテルにおける従業員の間で起こった陽性者計10人発生をクラスターと認定した。
この女性は、8月31日に頭痛、発熱が出て9月3日にPCR検体を採取(行政検査)9月4日に陽性が判明した。5日に県立八重山病院に入院している。
現在は行動歴が調査されており、この女性の濃厚接触者がいないか調査中とのこと。まだ予断は許されず、注視される。国籍は不明とのこと。
この女性は4月13日のバーでの陽性判明者から54人目で、いわば54例目となる陽性者。
7月以降の累積数では50人目となる。
この女性は48例目の陽性者との濃厚接触者であった。そして、その48例目の人は、44例目の女性の濃厚接触者で、同時に46例目と47例目の2人がこの44例目と、同じ寮で飲食した同じホテル従業員及び、関係者であった。
一人から3人の陽性者が出た時点で、ホテル側はホテル名の公開を検討。県がホテル側が検討中であることを発表して、後日、実際に発表している。
最初にこのホテル関係者で陽性者となった女性は、外国国籍と発表。県はその行動歴調査に英語での会話が必要となったと述べていたことから、その時点でどこのホテルかは憶測できた。
八重山のホテル業界は、コロナ前から人手不足により、外国人の雇用を促進していた。
ただ、ほとんどがアジア系。アジア系の外国籍のホテル従業員は、ほぼ日本語が堪能で、逆に英語が苦手な人が大多数。
コロナ後に残っている英語圏外国人となれば、八重山では、絞り込まれることになる。
が、特定をしないことで、陽性者に不都合が起こらない配慮を、保健所は重視していた。一方で、ホテル側は感染拡大の阻止を目的に、ホテル名を良心的に公開し、症状がなくとも心当たりある人の自粛を、促している。
観光施設でのクラスターが、今後どうなるかは、大いに注視されてくる。
また、各ホテルおよび観光施設が、今後起こってくる事態にどう対処するかが、重要になってこよう。
ただ、どういった部署で、どういう接点で、罹患したかが、不明なまま、置かれている。ホテルが多数ある島に、前例がいかされないままに、もし各所に発生した場合、仕方がないで済むのか。
ホテルのサービスの形態から罹患につながったとすれば、そこを注意するとか、感染拡大阻止への取り組みに生かす情報が、生まれてきていない。観光の状況への把握がない保健だけの縦割りが、影響していないか心配だ。
濃厚接触者の条件に、陽性者と15分間以上話をしたか否かがある。15分なのだ。曖昧なのだ。熱発しなければ、コロナ外来に連絡しなければ、無症状であるために、スルーしてしまう。
また、PCR検査の粘膜採取の検体の増殖倍数が問題にもなってきている。公開されていないのだ。
漠然と、ワクチンを待つ雰囲気の中、手探りの世界が続くのだろうか。
行政は、特別公務員は、民間の厳しさを知っているのだろうか。
(流杉一行)