5月27日午後2時15分から、石垣市白保のデイサービスセンターゆりヶ浜で、スマムニ広め隊(東大浜剛代表)のメンバー6人による慰問がおこなわれた。
同広め隊は、使われなくなってゆくスマムニ(方言)を後世に残したいという思いで、代表の東大浜氏が結成。
スマムニについて学習したいと集まった有志と共に、月2回講習会を実施。学習成果を活かそうと、デイサービスに通うお年寄りや、施設のお年寄りらに慰問公演をこれまで2か所で実施してきた。
今回は3か所目で、同ゆりヶ浜の約40人のお年寄りらへ、特別公演と題して披露。方言によるテレビ画面をつかった紙芝居「赤馬物語」や、新作の「ヌスクマーペ」、一人芝居の形で「仁王仏とかたつむり」など、楽しいアトラクションを披露して、会場を沸かせていた。
なかでも同広め隊が初披露する野底の伝説「ヌスクマーペ」の紙芝居の後、つぃんだら節が演奏されると、会場は打って変わった反応ぶりで、首を振って拍子を取ったり、手踊りを見せる人など、じっくり曲を聴くようすが広がり、民謡好きなお年寄りらを大いに喜ばせていた。
またビギンの島人の宝を、「『しまんちゅ』は、沖縄本島の方言で、八重山では『すまぴと』」と紹介しながら、八重山方言に歌詞をかえて広め隊のメンバーで披露。
またお年寄りにはお馴染みの小学唱歌「ふるさと」の曲に合わせて、「大切なのは子や孫」とはじまる替え歌「長寿こそ宝」という八重山方言でできた曲を披露。
これもお年寄りと共に歌っていた。「ふるさと」の曲は皆知っているためか、なつかしそうにいっしょに歌う人が多数見られて、盛り上がっていた。
締めくくりには、六調節でカチャーシーがはじまり、立ちあがって踊るお年寄りも多数でて、最後に記念撮影で皆ポーズをとるなど、楽しい時間を過ごしていた。
最前列で手踊りを見せるなど、公演を楽しんでいた美里ハル(93)さんは「子や孫に、スマムニや島のよさを心を込めて伝えていきたいです。ありがとうございます」と、公演を喜んでいた。
東大浜代表は、「島外出身のお年寄りもいて、わからない人もいるのは難しいところ。私たちも今回で3回目、少しづつ馴れてきました。もっと楽しんでもらえるように工夫しながら取り組みます。デイサービスは市内に20ぐらいあるので、徐々に回ってみたいですね。次は星野の人魚伝説に挑戦します」と、意欲的だ。
なお、スマムニ広め隊によるスマムニ講習会は毎月第1・第3土曜日の14時から90分間、平得のゆんたくガーデン(安全運転学校八重山分校の西3本目の道に入った所)で開催されている。初回入会金2000円。個別参加は一回500円。