真乙姥御嶽の拝殿の地鎮祭

 8月15日午前10時から真乙姥御嶽で拝殿の地鎮祭が行われ、ゆかりある17人が真乙姥御嶽の神司の東浜明美氏とともに真乙姥の墓の前で、これから行われる拝殿建設に関しての安全祈願と献香の儀式を行った。

 東浜神司によるパースや模型も用意しての、神への安全祈願が約10分行われたあと、鍬入れの儀式となり、施工主である入嵩西純新川字会会長と建築アトリエトレッペンの照屋寛公代表と有限会社金城建設の金城賢介代表の3名が「ヨイショ」の掛け声とともに、一斉に真乙姥御嶽の土地に3度の鍬が入れられた。

 このあとは「なおらい」となり、出席者それぞれがあいさつに立って、新たにできあがる拝殿に関することや、真乙姥御嶽に関する古いイワレや、建設に取り組み思いなど様々な声が出て、宴席を盛り上げていた。

 設計した照屋寛公氏は「百年拝殿」をテーマにしており、神に抱かれるようなイメージで形づくられた拝殿となることや、豊年祭で観衆が見えやすく設計したこと。また、前の拝殿の資材を活用することで、再生利用の思想を込め、コンクリを100年維持し、瓦を20年、木材を30年と、更新することで、100年持たせるものとなっていることを説明。100年後にしか地鎮祭はないことを、アピールしていた。

 このほか、照屋玄氏の方言で語られる、昔の人に聞いたとされる話に、皆、静粛にして真剣な面持ちで聞き入っていた。

 生粋の方言だけの話でもあり、完全には聞き取れなかったという人もいたが、真乙姥に久乙姥の話題も入って、迫力ある語調から貴重な話であることが伺われた。

(流杉一行)

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