8月10日午前9時頃から八重山漁協電灯潜り研究会(会員80人)によるサメ駆除の水揚げがおこなわれた。
9日に設置した仕掛けにかかったサメを10艘で回収し、この日揚がったサメは、イタチザメ、オオテンジクザメ、レモンザメ、ツマジロザメの4種10尾。
最大のものは339キロのイタチザメで、最小は12キロのツマジロザメ。
八重山漁協の電灯潜りに携わるウミンチュがそれぞれサメの出現に悩まされる場所に仕掛けてのサメ駆除だが、効果ある潮の場所と、そうではない場所があり、今回の水揚げは少ない形となった。
元電灯潜り研究会会長の上原吉高さん(58)は「白化現象でサンゴが少ないためにサメの餌となる魚が少ないせいで、漁をしている人の獲物を奪いに来るサメが増えている。」とこれまでとサメの様子が変わっていることを指摘。
「なるべくサメが近寄らないように注意して、一度で魚を突いて素早く袋に入れ血が周囲に漏れないように捕っている。」と、捕った魚を血を流すまま紐につないで泳ぐことはなくなったという。
「なかでも浅い場所にいるネムリブカが、サンゴの少なさから横取りをねらうことが増えている。これは、今のサメ駆除ではねらえないから、今後の課題だ」と、これまで気にならなかったサメの種類が、漁の妨げになってきているという。
「サメでもっとも困るのがメジロザメで、ライトに動じないで、襲ってくる。シロナカとクロナカの2種がいて、このシロナカが賢く、サメ駆除をしてもワイヤを見て仕掛けを食わない。このサメはワイヤを砂で隠さないとあげられない。」と、サメ駆除の周辺は複雑だ。
(流杉一行)