火星・木星・土星観察会

 15年に一度の火星の大接近が話題になる昨今、8月2日・3日の両日、石垣島天文台で火星・木星・土星観察会が実施されている。

 8月2日は、定員30名に40名の参加者が集まり、大盛況の観察会となり、沖縄九州で最大級のむりかぶし望遠鏡で大接近した火星を見ようと、星マニアや星の好きな親子づれなどが、午後9時と開始時間の遅いイベントながら、熱心に前勢岳にある石垣島天文台から火星・木星・土星を観察していた。

 解説するのは八重山星の会の通事安夫さんで、参加者を望遠鏡をぐるりと一周する列をつくって、順番にまず木星をむりかぶしでキャッチして、ひとりひとり順に木星の観察を実施。

 真っ暗闇になった施設からは、外の空が明るく見え、望遠鏡の先には点でしかない木星が見え、その拡大版がファインダーを覗くと、くっきりと二本の筋が見えて、会場は「見えた」と初めて見る子供たちの声が響き渡った。

 この日は木星の2つの衛星(イオとエウロパ)も見られて、注意力ある人は、見逃さず見ていた。

 次は土星で、PCでクリックすると、自動的に望遠鏡とドームが回転して、土星をキャッチ。土星のリングがくっきり見られて、参加者は黙々と土星の姿を目に焼き付けていた。

 最後は火星で、火星が太陽に近づくことで、砂嵐が発生し、火星の地勢がわかることがなく、極点周辺の氷も夏のために溶けてわからないとのこと。

 むりかぶし望遠鏡から見える火星は、残念ながら白いままとなっていた。

 それでも参加者は「火星が接近すると聞いて、見に来ました。これまで見に来たことがないので、火星だけでなく、これを機会に木星や土星も見られて、感動しました。」と、むりかぶしで星が見れたことを大いに喜んでいた。
 

 
(流杉一行)

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