尖閣列島戦時遭難死没者慰霊祭

 7月3日午後2時から石垣島舟蔵にある尖閣列島戦時遭難死没者慰霊之碑で尖閣列島戦時遭難死没者慰霊祭が開催され、約50人の関係者が集い、犠牲者への哀悼の誠を捧げていた。

 会は、桃林寺住職の小林昌道氏が読経する中、会長、生存者、来賓、参列者の順に次々焼香がおこなわれ、この後、遺族会副会長の玻名城健雄氏が、「慰霊祭をする目的は、御霊を慰めること、すなわち二度とこの悲しみを繰り返すことのないよう、遺された我々が平和の創造に努力することにほかなりません。紛争や戦争をおこすと、癒えることのない深い苦痛を残すことを体験者は教えてくれました。」と、平和の大切さを述べていた。

 この日、遺族会会員で3歳の時、祖父を尖閣事件で亡くした糸数用一氏があいさつに立ち、尖閣事件を題材にした自らの詩の一部を朗読して、戦争の実相を訴え、平和の大切さを述べていた。

 慰霊祭の後は、尖閣列島戦時遭難者遺族会総会が実施され、事業報告、監査報告、事業計画などの承認がおこなわれていた。

 この日、配布された総会資料には、「尖閣列島魚釣島における戦時遭難死没者の慰霊祭について」と題して、遺族会の意見が書かれていた。

 「・・・・魚釣島で慰霊祭を挙行することは私たち遺族が望んだものではありません。また石垣市から事前に話もありませんでした。2002年以来、遺族会は舟蔵の慰霊碑前で慰霊祭を執り行っており、すっかり定着しております。したがって魚釣島での慰霊祭に執着するものではありません。・・・」

 と遺族会の考えを示し

「私たち遺族会は、二度と戦争を起こさないために、この悲惨な遭難事件から学んだ教訓を生かしつつ、平和の創造と実践をし、人類の恒久平和に寄与することはつとめであり、それが御霊の何よりの供養になると確信をしております。」

と、資料の文章は締めていた。

(流杉一行)

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