6月14日午前10時から新栄町のハーリー会場となる船上げ場でワカシバーリーが開催された。
これは6月17日開催予定の海神祭で中西合同チームが、3つの競技に出る船を決める競漕で、御願ハーリー、転覆ハーリー、上りハーリーに出る船を、中一組、中二組、西組の3艇で競うもの。一位が上がりハーリー、二位が御願ハーリー、三位が転覆ハーリーに出場が決まる。
この日、午前10時には会場に多くの市民が参集。幼稚園児らも中西組の各地域から集まって応援に加わり、ハーリー当日のような賑わいの中、3艇がスタート地点から海に向かって右から中1組、西組、中2組の順に並んだ。
海は遠く台湾南東で熱帯低気圧が発生しそうな天候で、風があり、漁港内ながらも波があった。
そんな荒天と無関係に、ハーリー船は海に出され、普段の練習するときの変らない扮装で、乗り組む漕ぎ手は、緊張するような様子は見えない。
乗り込んで3艇は、沖に向かって小刻みに櫂を漕いでスタートの合図を待っていた。
船の後方で紅白の旗を持つ人3名が、掲げていた赤旗を降ろし、白旗が掲げられ、3本揃うと、やにわに「用意」というや、即打たれたスタートの合図で、3艇が一斉にダッシュ。
エーク(櫂)の先が赤い中1組に、青い西組、黄色の中2組と、水を漕ぐ動きはそれぞれ特徴が見える。
激しく白波をあげて猛ダッシュとなって見えたのは中2組だったが、最初の折り返しには中1組が一番に到達。応援する中1組は、パーランクーと拍手で答えた。
が、一周目に旗を回ったのは西組。
その後、西組が続く中2組を徐々に引き離し、最終ゴールは西組が制し、上りハーリー出場を決めた。2位は中2組で御願ハーリー、3位の中1組は転覆ハーリーの出場となった。
西組の一番エーク(先頭の漕ぎ手で、漕ぐタイミングを仕切るリーダー)は、13年ハーリーに出場してきた具志堅用純さん(33)。
「一番エークをやって5年目でようやく取れました。一度あがりをとったけれど、あれはいつだったか。」
「今回は、去年以上に練習をしました」
「去年の漕ぎ方は、いちテンポ貯めて漕ぐ方法でしたが、今回はそのテンポをなくして直ぐに漕ぐやり方で、それが勝因かもしれません」
「本番に向けて、練習を積み上げて、勝ちます」と、
もう17日の本番を見据えていた。
(流杉一行)