火星砂漠研究基地の日本隊員が石垣島で訓練

 3月2日、3日の二日間、火星砂漠研究基地での訓練に参加している日本隊員が石垣島での訓練を実施。

3月2日の午前10時半から石垣青少年自然の家の会議室で、午後に実施される海での訓練に先立ち、座講がおこなわれた。

この日、受講したのは、4日開催の石垣みらいカレッジ修了文化祭で講師をする村上祐資氏で、これに名古屋大学宇宙地球環境研究所の岡本渉技士が合流。

2人は、3月24日から4月8日まで、アメリカの火星砂漠研究基地で実施される訓練に参加する日本人6人の内の2人で、この日、八重山マリンレジャー協同組合のインストラクターから水中活動に関する座講を受け、午後から行われるダイビングによる訓練のための備えを学んでいた。

 村上氏は、元南極越冬隊員で、模擬火星探査計画マルス160の副隊長。

火星砂漠研究基地とは、有人火星探査を目的に、火星の環境に近いアメリカの砂漠の一角に、火星での暮らしをシュミレーションする基地を民間団体が建設。

来たるべき火星有人探査が始まったときに備えて、そこでの訓練が実際にはじまっており、その取り組む人の人口は2000人とも言われている。

 村上氏は「欧米の隊員らは、科学者が主で発想が科学的にクリアな世界で占められている。

日本が持つ独自な曖昧なものを曖昧なままに生かす発想が、これからの火星シュミレーションには大切になってくると考えており、石垣島での講演をきっかけに、石垣島での火星砂漠研究基地的な、訓練が水中で可能ではないか。

閉鎖された環境での取り組みを通じて、数年単位での火星滞在を可能にする、精神面での居住技術が、備わる場所が海でも可能ではないかという発想での訓練とのこと。

 「火星への扉が、石垣島の海に開いている」と、村上氏は述べていた。

 3日にはアメリカでの訓練に参加するもう2名も、合流予定で、火星の環境を想定した場合、空気がなく、ウエイトを調整して火星の重力環境に近い状態に出来、活動はバディとの2組で動くのはダイビングといっしょで、宇宙服にヘルメットの装備で実感する視覚環境や動きも似ており、火星環境を想定した訓練地として、海中は有望なものがあるとのこと。

将来的に石垣島に研究基地が誘致されることも、有りある得る話の模様。

 かくして午後から2名が海中での訓練を実施。その可能性を確認して、3日の訓練内容へ、チームでの取り組みを想定して確認する模様。

 なお4日には村上氏による講演「宇宙の扉を、石垣に。宇宙とみらいの暮らし」が午前10時から石垣市民会館中ホールで実施される。

(流杉一行)

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