畑と海をつなぐサンゴのまつり

 3月5日、石垣島の崎枝公民館で午前10時から「畑と海をつなぐサンゴのまつり」が開催され、崎枝の周辺住民をはじめサンゴに関心を持つ人が多数集まった。

 昨年まであった3月5日をサンゴの日として、その一週間をサンゴの保全に関わる活動をするサンゴウイークとした取り組み。今年はなくなっており、関わった関係団体も自力で動く気配は一部を除いて見えないのは残念。
大々的に展開したサンゴの日にちなんだ環境保全の取り組みは、過去のものと化すかと思いきや、崎枝公民館と芝浦工業大学が共催で、NPO法人石西礁湖サンゴ礁基金とともにこのイベントを継続。

 この日、崎枝公民館では飲食・販売ブースやフリーマーケット、展示ブース、ライブ会場が設けられて、崎枝住民らが中心になってまつり広場を展開。またサトウキビの株出し栽培で、芽がでなかった場所に苗を植える補植作業をまつり参加者が体験するコーナーも実施。また午後には芝浦工業大学1・2年生9人がサンゴを守ろうひまわり大作戦と題して、親子連れの入場者にサンゴに関する紙芝居やクイズ大会を実施。その後、種まき運動会と命名したイベントを実施。収穫後のサトウキビ畑にひまわりの種子を緑肥として撒くのだが、子供たちがゲーム感覚で畑にひまわりの種子をクイズを交えて、楽しく種子を植え、足場の悪い土の上も苦にしないで、大喜びで動き回っていた。

 この日の畑を提供した立津雄市さん(57)は「芝浦工業大学の学生さんはわざわざ畑の側溝まで、前もって掃除してくれて、びっくりしました。島に貢献したいという気持ちひとつでそこまでやってもらえるとは、ありがたい」と絶賛。海を守りたい想いが島の人に伝わっているようだった。同大学2年の斉藤慧さんは今回で石垣入りは4回目。「『石垣島を元気にするプロジェクト』と題して、先輩らが取り組んで継承しています。もう14・5年になります。何も出来ない現状に、何かしようと取り組んでつないできており、島の人に教わりながら今日まできています」と謙虚な言葉が返ってきた。子供達が遊び感覚でひまわりの種子を植えているのには、不思議な光景だと参加の一人が述べていたが、大学生の問いかけに子供達がのびのびと接することができる何かがあるようだ。

 石垣島在住の松中孝道さん(41)さんは娘の寧々(4)ちゃんと種まき運動会に参加。「よい思い出にと参加しました。4歳児には何をしているかわからないが、こうして種子を撒くことが海を守ることにつながる話をしばらくしたら教えてあげたいですね」と応え、「たのしかった?」と問う声に、寧々ちゃんは小さくうなずいて見せた。(写真はライブ演奏の石垣喜幸氏)

(流杉一行)

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