3月22日、午後6時半から石垣市民会館大ホールで石垣駐屯地開設説明会が行われ、会場には約150人以上が参加して、石垣市と沖縄防衛局石垣駐屯地による説明がおこなわれた。
参加した市民への説明資料は用意されないままに、石垣駐屯地の説明者は、説明する人自身の所属も階級の説明もなく、姓だけを名乗っての防衛省を代表する施設説明がおこなわれていた。
まず、司会の石垣市総務部長の翁長氏から式次第が述べられ、「石垣市長挨拶」から「駐屯地の施設について」、「自衛隊の活動概況について」、「質疑応答」の順で、説明会が進行することが発表され、説明会は約1時間を予定していると述べていた。
沖縄防衛局からは「駐屯地の施設について」が、石垣駐屯地からは「自衛隊の活動概況について」が説明されていた。
石垣市長は、これまで7回の住民説明会を実施してきたこと、駐屯地開設で施設の説明、活動の説明を求めて、今回説明会が実現できたことを述べていた。
市長は市民への詳細な情報提示と、丁寧な説明を防衛省に求めたとして、この機会に詳しい情報を市民は得てほしいと述べていた。
このあと、石垣島での駐屯地の設置状況が紹介され、警備部隊、中距離地対空誘導弾(中SAM)部隊、地対艦誘導弾(SSM)部隊等を設置。部員数は570名(令和4年度末)。
完成イメージが紹介された後、隊庁舎、食堂・福利厚生施設、医務室、受電所、給水所、警護所、汚水処理施設、車両整備場、給油所、調整池、火薬庫、整備場などの完成済み施設が紹介され、訓練所、覆道射場、木工所、グラウンドなどの今後の工事予定の施設は、工事スケジュールが紹介されていた。
活動状況に関しては、石垣駐屯地所在部隊、主要装備品の概要、駐屯地運営、ドローンなどの規制についての4項目が説明された。
まず、部隊の説明があった。11の部隊が駐屯地指令の下にあり、隊本部、本部中隊、普通科中隊、後方支援隊の4つで八重山警備隊がなる。このほか司令から直に第348高射中隊、第307高射輸送通信中隊の端局班・中継班と、高射直接支援小隊、第303地対艦ミサイル中隊、特科直接支援小隊がある。残るは第445会計隊等、石垣駐屯地業務隊で、石垣駐屯地は構成されている。
主要装備品の概要も紹介されたほか、03式地対空誘導弾、12式地対空誘導弾も、写真で公表していた。
駐屯地の運営や、兵の日課、駐屯地内での訓練、駐屯地での行事や広報活動も紹介。なかには地域行事支援も紹介されていた。
このあと、質疑応答が行われていた。
基地開所により、石垣市が不足する施設に関しての何らかの支援があるのかという質問には、補助する予算があるとの答えがあった。
施設内の食堂が使えるかの質問が市民から出るなど、異次元な応答もあり、あとで駐屯地側から訂正があるなど、賛成派に対しても溝があるかに見えていた。
ミサイルの飛ぶ距離を発表できない防衛省の姿勢を問う声には、公表をやっていないとしか答えられないことに、命令にしか従えない防衛省のあるがままが映って、悲しい。
都合が悪いことは、万事この調子になるのが見え透く。
この程度のことがこの応答。これが全国に共通しているとすれば、不思議な日本と、外国に醜態をさらすことになるのでは。むしろ、同盟国から意見されて、公開するようになれば、もっと悲しい。
八重山では海上自衛隊の掃海艇が座礁する事件も、島民は知っている。住民をしっかり知り、反対も賛成も、清濁?み込める度量を持って、自衛隊の開設の話を説明すべきでは。
3年で去る担当職員でなる国の機関が、国境のこの石垣島ではもろに目立つ。
危険のないミサイル基地建設担当者は、そこで将来起こってくることに、無責任ではあれないことを、自覚するべし。有事の際には、この島の住民に起こってしまったことが、あなた達がやったこと。地域住民の意思を無視し、貴方たちが、こんな形で開設したことを、島人は忘れない。
(流杉一行)