ウエステルダム号入港で歓迎セレモニー コロナ禍後の初国際線クルーズ船

 3月8日、午前10時からウエステルダム号(オランダ船籍)歓迎セレモニーが、登野城地先のクルーズ船接岸所でおこなわれた。
 セレモニーにはビンセント・シュミット船長が、挨拶に立ち、石垣島にはこれまで何度も来ており、今回もこれてうれしく思うと述べていた。

 川満副市長が挨拶に立ち、クルーズ船は石垣島の経済を支えていたが3年間止まっていた。今回、国際クルーズ船再開の一号となるウエステルダム号の入港を心より歓迎申し上げますと述べていた。

 また、石垣島周辺海域は多数のダイビングスポットがあり人気があると述べ、皆さまには八重山の豊かな自然、食、文化を楽しんでいただけるものと確信していると述べ、末長く帰港していただけるよう、よろしくと、継続的な帰港をお願いしていた。

 このあと、ミスやいまからシュミット船長へ花束が贈られ、シュミット船長から川満副市長へ船の模型が贈られていた。

 この日、入港したウエステルダム号(82348トン)は、1920人の乗客を乗せての石垣入りで、定員数は1964人でほぼ満員。

 シンガポールを出航したのが2月27日で、フィリピンなど各地を帰港してきた。この後、那覇港へ向かい、横浜港が終着寄港地。3月13日からは横浜港を基点に日本各地およびプサン、済州島を寄港するクルーズツアーが企画され、主に日本人観光客を載せて運行される。

 その後、3月27日からは、横浜港発で石垣島を含む日本各地および台湾・基隆および花蓮を寄港するツアーが行われる。石垣島の寄港は3月31日とのこと。

 日本政府が示すガイドラインを守ることで、再開にこぎつけた国際線クルーズは、乗客の乗船時検査を徹底して、船内防疫に徹するとともに、万が一の事態への看護人の増員などがある模様で、寄港市町村への対応に関しても、発病者があった場合の対応は、練られているとしており、石垣島では県立八重山病院の対応能力を見ながらの、入院あるいは那覇搬送など、可能なかぎりの対応がある模様。

 5月には、5類への移行で、インフルエンザクラスの病気として格下げされることから、これまでのような緊迫感は消えつつあるコロナでもある。ただ、少なくなったとはいえ、変異株の可能性がゼロというわけでもない中、国際線のクルーズ船就航は、各地でも様子見の雰囲気は否めない。

 2020年のダイヤモンド・プリンセス号の事件で、混乱を招いたことは、忘れられるものでもない。この那覇から400キロ以上離れた石垣島での再度の蔓延は、変異株なのか5類のままでよいのかの判定能力を考えると、脆弱さは否めない。

 現時点で、観光客は増えつつあっても、まだその増え方が、これまでと違う傾向が見えている。地域にとっての安全とメリットを、どう図って取り組むか。外資の侵入に任せた京都のような、地域に何も残らない状況は、避けなければいけないはず。

 欧米クルーズ船が、宿泊なく、地域へ落とす額の少なさが目立ち、台湾からのものでは、宿泊内事態以上に地元の暮らしを脅かす、迷惑な爆買いが目立った。観光客の突出した入域にはゴミと排泄物ばかりが過度となり、バスやタクシーなど移動関係だけが、儲かる事態となり、そこをどう改善するか。持続可能な状況づくりに、今、何をしなければならないか。そこを、真摯に話し合う時期にあるのだが、誰が見ても自衛隊基地の開所のはじまるこのタイミングは、図られたかに、試練となっている。

 (流杉一行)
 

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