12月10日、11日の二日間、石垣市役所1階ロビーで第13回焼き物まつりが開催され、初日の10日午前10時から多くの市民で会場に集まり沸き返っていた。
この12月恒例の焼き物の祭典は、昨年の15業者より多い、今回20業者が集合。それぞれ個性的な焼き物を展示販売して、八重山で焼かれている焼き物の多彩ぶりを、会場一杯に示して、訪れた陶器好きな人を喜ばせていた。
玄関付近では、アンケートの答えると抽選で20人に焼き物が当たるコーナーが用意され、来場者は熱心にアンケートに答えていた。
また市役所の案内所のそばでは、毎回この祭典が実施してい特設ブースが設置されていた。今回は、昨年話題となった小笠原の福徳岡の場での噴火で流れ着いた軽石を、各業者が自由に釉薬として活用してつくった器が展示、披露。
昨年まで地球の地下に眠る岩石だったものが、爆発で地上に放たれ、溶岩の一部の軽石。これが海を漂流してこの石垣島にたどりついたもの。全国各地に流れ着いていることを考えれば、物珍しさはない。しかし、1年経って、それを釉薬にして器にするというのは、今になると新鮮で、来場者は、結構、真剣に見入っていた。
このほか今年もちゃんぷるーボックスが用意された他、久々に人気の業者に殺到する様子も見られて、盛況さは衰えしらず。
今年は、島の有名業者のブースへ、あっというまに、顧客が殺到して品切れになるなど、賑わいは衰え知らずで、また10年ぶりともいえる島で古株の業者が、最近再始動させた陽変天目のチャレンジの試作品を展示。器の輝きぶりが異彩を放ち、焼物狂には見逃せない光景となっていた。
各業者の店舗では、新たな絵柄を器に描いて望めば、しっかり顧客がその試みに気が付き、その新調された絵柄を購入するなど、売り手と買い手で、暗黙のコミュニケーションが見られるケースも見受けられた。
11日も、各店舗は品物を補充して臨む模様。
掘井太朗実行委員長は「今回は、島の木のものづくり展と同時開催となり、互いに相乗効果をねらっての開催になりました。担当する市役所の課は違いますが、多くの市民に島でどんな工芸品があるかに関心をももってもらえるればと思います」と述べていた。
ネットの情報が乱れ飛ぶ時代ながらも、足を運んで見て知る楽しみは必須なはずで、島で生まれた多彩で個性的な工芸品を見る楽しみは、作り手との会話もできることを思えば、また格別なもの。
13回目と、続いてきた焼き物祭りに、木工品もこの日合流した格好で、島の工芸品が次々合流することになれば、作り手同士の交流も生まれて、クリエーティブな関係の輪がまた新たな八重山の歴史を続くことになるかも。
(流杉一行)