約40年ぶりに南風ぬ島カンター棒が民家で

 9月5日のウークイの日に石垣市新川の上唐利夫さん宅で石垣市無形文化財の南風ぬ島カンター棒が披露され、獅子祭りが開催された。これは新築の家で開催される獅子祭りがその都度ウークイの日に実施されてきたが、これまでは獅子頭を一番座の床の間に供えることはされてきたが、カンター棒が舞われることはおこなわれてこなかった。今回、カンター棒保存会の若手のメンバーから声が上がり実施となった。これまでイベントで登場することはあっても、民家の前で披露することは40年間なかったとのこと。

 午後2時に上唐さんの玄関先に、赤い頭の棒囃子者(ボウハヤシャー)が現れ、舞を披露。2体の獅子を操り、お清めをしていた。周囲には多くの字民が集まり、石垣市無形文化財の舞を見るなどして、地域の芸能を堪能していた。

 午後3時からは、上唐利夫さんの一番座で、新川字会の役員が集まり、獅子祭りを実施。一番座には2体の獅子頭が置かれ、華の上に塩と線香が乗せられ、参加者全員で拝礼が行われて、照屋玄さんから「口飾り」の口上が大きな声で発された。

 地域の安全祈願して、上唐さん宅の繁栄も祈願するこの行事は、このあと獅子祭りの謡がはじまり「七月念仏」「トゥンギャーラー」「ミルク節」と続いて、上唐さんの挨拶で会は閉会となっていた。
 
 (流杉一行)

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