7月7日午後1時から八重山合同庁舎2階大会議室で第12回新石垣空港事後調査委員会が開催され、太田英利、大森保、香村眞徳、黒田登美雄、酒井一彦、鈴木倫太郎、立石庸一、照屋和久、前田喜四雄(敬称略)の9名の新石垣空港事後調査委員会委員が出席。平成28年度モニタリング調査結果と平成29年度モニタリング調査計画を議事として、話し合いを実施。空港完成供用開始から4年が経過するも、陸上動物、地球化学、海藻生態、水理地質、サンゴ礁生態、植物生態地理、魚類生態、ほ乳動物の観点で、建設後の空港周辺の自然環境を保全するべく、調査を続ける県のデータを解析して、その状況を把握する委員らは、この日も出されたデータから事務局へ様々に質問をしていた。
なかでも空港北側に設置されたビオトープの池にテラピアが生息して、池に放った固有生物などが食べられてしまっている可能性を述べる委員が、そのビオトープの存続をどうするか。審議の必要を述べていた。また、コウモリのために残したD洞窟にコウモリが見られず、なぜそうなったかを調査する意義が述べられていた。なお、29年度も調査は続けられ、今年11月のコウモリの移動期の調査以外は、継続されることが確認された。
なお、先日亡くなった崎山陽一郎氏に代わる鳥類専門の委員選定を委員らは県に要求。県は検討を約束していた。長年にわたり新空港の環境保全に意見を添えてきた崎山陽一郎氏。その残した功績は計り知れない大きなものがある。なにより権威や組織に頼らないしっかりした経験と判断で、自然環境の保全を第一に意見が出せる人は、氏をおいてほかになかった。ここに冥福を祈りたい。
(流杉一行)