3年目もハーリー中止

 6月2日は旧暦の5月4日。水産関係の伝統行事ハーリーの日だが、コロナ禍のために今年も中止となり、御嶽や冨崎観音堂での祈願や、スネーと呼ばれる船を揃えて海上を回る神事だけが行われた。

 2020年に中止になって、これが3度目。

 ハーリー会場の石垣漁港では、中1組、中2組、西組の3艘のハーリー船が午前8時に集まり、3艘がゆっくりと海上を回っていた。それぞれの船ごとに、特徴あるエークと呼ばれる櫂の動きを見せて、きれいに揃えて、ハーリー船を水面に滑られていた。盛装した漕ぎ手は、神妙な表情で櫂を漕いで、名残惜しそうにソネーの儀式を済ませていた。

 登野城漁港の近くでも、東1組と東2組がソネーを実施。東1組と東2組は、ソネーを終えた後、2艘で競って見せるなどしていた。短い距離ながらも上手に船を操って、きれいに曲がって見せるのは、さすが息の合ったもの同志が見せる技。伝統の船の操船技術の高さは、こうして維持されていく。

 コロナ禍でも海での漁獲はあがる。鮮度を考えると、すぐに売れなければ厳しい水産業。島の経済の基本は第一次産業。自然からの恵みが主となる。おさしみクーポンの発売で、魚の需要を喚起している石垣市役所だが、今年の第2段目のおさしみクーポンは、どうやら6月下旬ころらしい。

 観光客が徐々に増えつつあるも、街の居酒屋は、地元の人がこないことを話題にしており、やはり、皆、感染がこわいということがある模様。

 (流杉一行)

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