4月23日午後2時半から石垣市健康福祉センター2階視聴覚室で、南山舎やいま文化大賞受賞式が行われ、松村順一氏の奨励賞の受賞式が行われた。
今回は大賞の該当者がなく、またコロナ禍により出席者も選考委員を中心に数名で、今回新設された奨励賞を受賞した松村氏および主催者・関係者らでの縮小した受賞式となった。
まずは、南山舎の上江洲正和代表から受賞式の挨拶がおこなわれた。
そのあと、受賞に携わった選考委員会を代表して波照間永吉委員長から祝辞が贈られ、また松村氏の「スク、地名について」の論考に関する審査内容も紹介され、今後の研究に期待していることを熱く語っていた。
このあと、奨励賞の授与が南山舎代表の上江洲正和からおこなわれ、賞状と副賞が贈られ、大きな花束で受賞を祝福していた。
松村氏は授与されたあと、挨拶に立ち、論考執筆に至った経緯と、南山舎のやいま文化大賞の企画があったことへの感謝の言葉を述べ、今後も地名に関する論考や歴史の研究に取り組んでいきたいと、抱負を述べていた。
なかでも「スク、地名について」の論考を研究するきっかけや、本気で打ち込むことを決めた理由も明かしていた。
松村氏は、石垣市役所の市史編集室に勤務していた時、平成元年頃の石垣市史民俗編で地名について研究資料が必要となり、「石垣の地名」を取りまとめる機会を得た。
その際にスクの語源を未詳としたことが、ずっと気になっていて、ある日、牧野清氏の著書に登野城村の語源にかかわる「トノーシキ」との言葉に出合い、スクとシキは結びついているのではないかと発案。
また辞典大言海で「敷き」は、「しもるところ」とあることを見つけた。気になったこの「敷き」をきっかけに、退職後にこの「スク」に関する語源への研究をスタートさせた。
松村氏は「スク」については、今も頭から離れない状況を述べ、すでにいくらかの論考も追加記載していて、今後も、この研究に取り組んでいくことを述べていた。
(流杉一行)
※ 「しもる」は、浸水して沈む意味。