しぅまむにシンポジューム開催

 11月17日午後6時から石垣市民会館中ホールで「シンポジウムしぅまむにと八重山文化の未来」が開催され、約140人の方言に関心ある市民が集まり、2つの講演とシンポジュウムを聴いて、方言について知識を深めていた。

 冒頭、主催者の沖縄県しまくとぅば普及センターのセンター長の波照間永吉氏が挨拶に立ち、2009年(平成21年)2月にユネスコ(国際連合教育科学文化機関)により、八重山語(八重山方言)は重大な危機言語に指定されいることを紹介。消滅の危機に瀕している八重山方言を、このままにしておけば、やがて消滅してしまうと述べ、自身も「70代ながらうまく扱えない、子ども同様です」と、このまま80代、90代になれば、なくなってしまう。「これでよいのかを、皆さんでいっしょに考えてみたい」と、開催の意図を紹介。

同センターがはじめて開催する会で、「自分たちの言葉をどうすればのこせるか」を、いっしょに考えたいと述べていた。

 この後、記念講演が八重山文化研究会顧問の石垣繁氏から「私と八重山語研究」と題しておこなわれた。

 石垣氏は、出生、教師経歴と生い立ちを述べながら、宮良当壮著八重山語彙」という一冊から多くの出会いを経て、方言研究に深くかかわったことを述べていた。

 八重山方言の特長に7つの母音が存在することなどを語り、消えつつある実態を具体的な事例を挙げて、述べていた。石垣氏は、方言を学ぶには、身体の部位の名前を学んで日常で使うようにしたらいいと、初心者へ心得も添えて講話を進めていた。

 このあと石垣市史編集委員の大田静男氏が「うむっちさーる しぅまむに」と題して基調講演を実施して、方言の実情を様々な観点から方言で説明して、観衆を沸かせる冗談も交えて講演を進めていた。

  シンポジュームでは、波照間永吉氏がコーディネーターとなり、前出の大田静男氏と中本謙琉球大学教授、黒島健石垣市文化協会しぅまむに部会長、半嶺敬子しぅまむに伝承研究会員、登野城このみ舞踊教師(前盛フミ舞踊研究所)の5人のパネリストで、現在の方言に関する活動について話がおこなわれ、会場からの質問にも答えるなど、有意義な時間を過ごしていた。


 (流杉一行)

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