9月29日午後1時30分、石垣市最終処分場で海岸漂着ペットボトルの初出荷が行われた。
これは、リサイクルできず埋め立て処理されてきた海岸漂着ペットボトルが、買い取り業者によりリサイクルされることになり、その初荷となる1・5トン(8万本分)の出荷がかなったもの。
買い取り業者は、大手繊維専門商社の豊島株式会社(豊島半七代表取締役社長)で、石垣市は今年4月から2023年3月まで買い取り契約を締結。これにより海洋漂着ペットボトルはリサイクルされることになった。
一昨年12月から同社から石垣島の海を守りたいと、海岸漂着ペットボトルを活用した製品づくりの提案があり、昨年3月から具体的にはじまり5月に37キロ分を試験納品。同社で製品化の目途がついて今年契約が実現し今回の初荷となったもの。
これまで海岸漂着ペットボトルは、塩分が付着しているためにリサイクルできないものとされてきた。いわばゴミ処理上のお荷物となるもの。海でのクリーンアップ作戦で拾われる大量のペットボトルが費用を払って処分されきた。
今回、同社によりTシャツやマスク、帽子などの繊維に使われ、リサイクルされる。家庭で出るペットボトル9に対し1の割合で混ぜ、それに通常の繊維9に対し1の割合で混ぜたリサイクルからの繊維で製品を制作する。海岸漂着ペットボトル処理のコスト分が商品価格に重くのしかからないよう100分の1の混在となる模様。
1m四方に圧縮された海洋ペットボトルの塊は、今年4月から7月の間、ボランティアで海岸清掃により集められたもので、ひとつ250キロから300キロある。これの6個がコンテナに乗せられて船で大阪に輸送される。
市職員によれば、年内にもう2度から3度、出荷を予定しているとのこと。約3トンほどになる模様。
観光地石垣島では毎年深刻化する海岸漂着ゴミに、ボランティアがクリーンアップで格闘してきた。しかし、行き場のないゴミは石垣市にとってクリアすべき課題のひとつだった。
今回、海洋ペットボトルだけだが、海岸漂着ゴミがリサイクルされることで、石垣市の負担軽減は大きい。
国内初でもあるこの海岸漂着ペットボトル活用の途。SDGsに寄与する製品化でもあり、石垣島の海を守る意味以上に、この取り組みをきっかけに、広く一般消費者に理解が進んで、大きなうねりとなってほしいところ。
(流杉一行)