病院クラスター49人目拡大、コロナ外来も久々に2人発生

 10月24日午後4時から八重山合同庁舎5階研修室で第50回八重山地域新型コロナウィルス感染症対策本部が開催された。

 この日は、司会進行の宜野座葵八重山事務所長が欠席。担当職員が代わりを務めての開催となった。

 まずは10月22日に取られた検体88人分の行政検査の結果が発表され、陽性者が5人で内訳はかりゆし病院の関係職員4人に、コロナ外来への相談者が1人。陰性は83人となった。

 同職員は30代女性1人と40代女性3人で、コロナ外来の相談者は60代男性で4日間那覇へ行っていたとのこと。

 職業は確認中で石垣在住者。10月22日に発熱と下痢からコロナ外来で検体を採取。本日、陽性と判明してこれから八重山病院で受診する予定とのこと。

 また昨日の発表の後に、1人から陽性が判明しており、合わせて6人の陽性患者が公表された。この人は、沖縄本島への渡航歴がある女性で詳細は資料に記載忘れして、発表はそこまでしかできないとのこと。

 また、先島地方へ視察した自民党県議団のひとりがコロナ陽性になった件での発表があり、10月22日に夕刻に南部保健所から調査依頼があり、23日に県議団の濃厚接触者17人のPCR検査で陽性が9人となったとし、詳細は届いていないとのこと。

 24日には与那国、石垣市、竹富町での県議団の旅程の中での接触状況の調査を行い、濃厚接触者17人を特定。この検体採取日の日程は調整済みとのこと。

 濃厚接触者は運輸・飲食関係者が含まれる模様。南部保健所では、陽性となった特定の県議会議員らとの連絡が、まだ取れておらず、八重山保健所ではノータッチで、その関係の濃厚接触者は含まれていないとのこと。

 10月23日には64件の検体が採取されており、しばらく会議は続行しそうな雲行きだ。

追加

病院クラスター50人目 県議団視察の八重山経路から20人の濃厚接触者

 10月25日午後4時から八重山合同庁舎5階研修室で第51回八重山地域新型コロナウィルス感染症対策本部会議が開催された。

 この日の陽性者の発表は、昨日夕刻に聖紫花の杜入所者の70代男性1人で、確定患者と同室だったことからの感染。10月24日に検体を採取して保険PCR検査で陽性が判明。25日に八重山病院へ入院。病院クラスター50人目となる。

 なお10月23日に取った検体64件からの陽性はおらず、64人全員が陰性と判明。

 昨日発表のコロナ外来で陽性になった40代女性は、会社員で石垣在住。10月15日から17日まで沖縄本島に滞在。

 この日、初のひとり陽性者で、沈静化に向かうかに見えて、26日に県議会視察団の濃厚接触者の検査結果が予定されている。

 八重山経路から20人の濃厚接触者があり、その検査に注目が集まっている。

 なお、陽性患者で無症状者は就業制限がかかって宿泊施設での待期が続いていたが、回復者とっして制限が解かれた人が一人出た。

 現在も14人が宿泊施設で過ごしている。

 八重山病院のコロナ陽性の人の入院患者数は、23人。かりゆし病院でのコロナ陽性の人の入院は8人となっている。

 県議一人の陽性発覚から17人が濃厚接触となったことを考えると、現在このほかの県議10人が陽性と判明。ここで個々の濃厚接触者が判明すると、全県で合わせればその数はかなりのものとなりそう。
 
(流杉一行)

 なお追加

54人クラスターにWクラスター 医療と行政の高度な連携体制を

 10月26日午後4時から八重山合同庁舎1階会議室で、第52回八重山地域新型コロナウィルス感染症対策本部会議が開催された。

 この日は、宜野座葵事務所長と八重山保健所担当により会議は進行。午後5時10分頃まで長引いた。
  この日、10月24日に検体を採取した87件のうち、82件の結果が判明。陽性は4人で、陰性は78人となった。残る5件は与那国の検体で、5人とも陰性と判明。

 陽性患者の内訳はかりゆし病院関係が3人、本島渡航歴の1人で、かりゆし病院の方は、90代女性の患者1人で、確定患者と同室者で10月24日に無症状で2回目の検体採取をし、25日に陽性が判明。26日に八重山病院へ入院した。

 50代女性2人について、1人はかりゆし病院の看護師で、1人は聖紫花の杜看護師。10月24日に無症状で2回目の検体を採取し検査したところ25日に陽性が判明。26日に八重山病院を受診して療養施設入所予定。

 クラスターは54人規模となった。

 また、10月20日に判明した陽性患者で21日に療養施設に入ったかりゆし病院職員の50代男性が、26日に八重山病院へ入院。八重山保健所が搬送を実施した。

 県議団に関しては、沖縄本島からの情報提供が来たばかりで、まだ確認をしているとのこと。

 八重山保健所では、最初の県議団1名の陽性者から次々に陽性者が判明しているのを知った市内の接触者からコロナ外来などへの連絡があり、同保健所が濃厚接触者と判断した人から検査を実施。20名以上になっているとのこと。

 目下、市議らなどの視察の際の濃厚接触者は陰性の判定とのこと。慎重に何度か検査する模様。

 この日の会議が普段のものに比べて異例の長さとなった背景には、15日以降から病院クラスターにはじまり、県議団クラスターと展開し、日々陽性者が出てきている現状から、すでに八重山病院の対応能力は当初よりも拡大。

 かりゆし病院の病床も利用しての、厳しい現状が続いている。沖縄本島での陽性者の増加からすれば、今後、八重山から渡航し戻っての陽性者の増加も想定されてくる。

 無症状者が八重山病院への搬送される事態が起こっている現状からすれば、病院への搬送の体制作りが、病状の判断や患者数から見た病院の対応能力の把握など、より高い判断能力が必要とされてくる。

 かりゆし病院クラスターの最初のウィルス持ち込み特定ができないまま、かくも54人クラスターに拡大している現状では、市中感染は否めず、この見えない感染源への拡大の恐れは、いつまでもついてまわることとなる。

 市中感染の拡大を万が一に考え、かつ沖縄本島がらみの感染者流入も視野に、一歩高度な体制づくりを、医療の現場サイドは唱えはじめて、おかしくない。

 ただ、現状、深刻度はあまり感じられないのは、医療現場と、市中の観光客流入状況に見るギャップが、拡大傾向と言えている。

 観光客に接する観光関連業者や、観光客の来店に対応する店主にすれば、医療現場同様に緊張を走らせての日常とはいえるのだが、行政サイドの実情把握が、ある種後手に回っている感が、匂っている。

 目の前のコロナ相談者、濃厚接触者の検体採取に追われ続けてのことではある。

 群民のマスクと消毒努力が報われるように、どう緊張感あるコロナ対策をして、安心材料を積み上げるかの、先手を打った対応を見たいところ。これは、今後のコロナ対応のモデルになるはず。
 
 (流杉一行)
 
加えて追加

 かりゆし病院は沈静傾向も、本島渡航関係5人陽性

 10月27日午後4時から八重山合同庁舎2階大会堂で第53回八重山地域新型コロナウィルス感染症対策本部会議が開催された。

  27日は10月25日の92件の検体分の検査が発表され、陽性1件、陰性91件で、これに加えて保険抗原検査にて陽性1人となった。

  また昨日の夕刻に保険抗原検査で3人が陽性と判明。計5人の陽性となった。

  この日の陽性には、かりゆし病院関係の陽性者発生はゼロ。

 1人は30代男性。石垣市在住で10月24日に発熱と咽頭熱、咳などがあり、26日にコロナ外来から保健所に紹介があり八重山病院を受診。

 保険抗原検査をして陽性が判明。自宅待機となり、27日に宿泊療養施設に入所した。宮古と沖縄本島への渡航がある人だった。

 残る4名の内の3名が女子2人に男性1人で同じ陽性判明した人の濃厚接触者と思われるとのこと。

 福岡在住で石垣に滞在中の40代女性が、昨日の管内確定患者の濃厚接触者。
(昨日の発表で25日に陽性と判明した40代女性との濃厚接触。この女性は沖縄本島に10月16日から19日の間に滞在)

 福岡在住の女性の職業は接客業で10月23日に発熱、咳、頭痛があり、26日に保険抗原検査で陽性判明。療養施設に入所。行動歴は調査中。

  もう一人の女性は石垣市在住の40代で同じく接客業。上記同様の昨日陽性判明女性との濃厚接触者で、10月24日発熱、頭痛があり、10月26日に保険抗原検査で陽性判明し、10月27日に療養施設に入所。同様に行動歴が調査中。

 石垣市在住の50代男性は職業確認中で、上記同様な女性との濃厚接触者で10月25日に発熱し、27日の保険抗原検査で陽性が判明している。八重山病院への受診が予定されている。

 各3人が昨日判明の女性からの濃厚接触者だが、いっしょに会食したのかどうかは、確認できていないという。

 後の1人は、石垣在住の40代男性でこれも職業確認中で、渡航歴がある管内確定患者との濃厚接触もあり、また別の濃厚接触者のリストにもあるものの、渡航歴ある患者との感染が有力とされる。

 濃厚接触も複合化しつつある。この男性は10月23日にPCR検体を採取して、10月27日に陽性が判明。八重山病院で受診して入院している。
 
 これら、5人とも発熱しており、病院の判断で療養施設と八重山病院へ、入所入院が決められている。

 現在、八重山病院には24名、かりゆし病院は8名、宿泊療養施設には14名が入っている。

 5人とも軽症であるも、無症状とは違うことから、熱発や咳が出る状況からの検査という事態が共通してくる。

 かりゆし病院クラスターを生んだ、最初の感染源が不明なままで時間がたっている。

 石垣島での市中感染の可能性を残して来たわけだが、ここに来て沖縄本島への渡航歴ある人の熱発が、2日連続して発生しているところから、感染危険度は、市中感染以上に、渡航歴関係で上がってきているといえる。

 これは、沖縄本島での市中感染が深刻化した反映する図式が見て取れる。県の離島への感染拡大阻止には、新たな対策が求められそうだ。

 また同じ接客業の人々で、いっしょに会食した否かは不明ながら、新たなクラスターの可能性が兆してくる。ここも気になるところ。

 まだ県議団の濃厚接触者は陰性が判明しても、熱発のタイミングがある。2度目の検査でどうなるかは不明でもある。

 八重山病院の入院は29床が限界とも言われている。インフルエンザの季節に入る11月を前に、保健・医療関係者の緊張感は、いよいよ高まってくる。

 宜野座葵事務長は「市中感染の兆しがあり、引き続き地域の方々には、感染予防の徹底をお願いしたい。」と述べ、5人未満の飲食、短時間での飲食、職場での対応、手洗い消毒などの励行を強調していた。
 
 (流杉一行)

追加の追加の追加

病院クラスター55人目 島外から移入感染が2人増え、感染源不明の1人
 10月28日午後4時から八重山合同庁舎2階大会堂で第54回八重山地域新型コロナウィルス感染症対策本部会議が開催された。

 ぶら下がり取材で、八重山保健所担当は、10月26日の行政検査の検体126件の検査結果を発表し、陽性が3人、陰性が123人となったと述べた。また、昨日の夕刻に八重山病院院内PCR検査で陽性者が1人判明しており、この日の陽性者の発表は4人となったことを伝えていた。

 27日の夕刻に八重山病院でPCR検査を受け陽性が分かった人は、30代女性で石垣在住のかりゆし病院看護師。微熱と倦怠感が23日にあり、27日に3回目の検体採取を実施。その夕刻に陽性が判明。

 28日に判明したのは男性2人と女性1人で、その内の男女は1人ずつが同一の管内確定患者との濃厚接触しており、昨日に発表された3人の濃厚接触して感染した管内確定患者とも同一人物。

 1人は40代男性で職業確認中。石垣在住で10月26日にコロナ相談外来で検体を採取。10月28日に陽性と判明。宿泊療養施設に入所している。

 1人は50代女性で職業は確認中。石垣在住で10月26日に無症状ながらコロナ外来で検体採取。10月28日に陽性が判明した。

 この2人の行動歴は調査中。

 渡航歴はないものの10月25日に発熱から26日にコロナ相談外来で検体を採取した60代男性は、28日に陽性が判明し、この人は八重山病院へ入院した。

 37度5分以上の熱があったのはこの人だけで、八重山病院へのコロナ入院者は23名となり、この日の残る3名は、宿泊療養所へ入って同所の入所者は15人となり、かりゆし病院では重傷者が1人出て、八重山病院への転院となり、かりゆし病院入院者は7人となった。

 八重山病院のコロナ対応ベット数は、21から29にまで可とするものの、実際には看護等の人手が足りず、人の対応能力が難しくなっている模様。

 県議団クラスター関係では、那覇からの要請で2名を検査。

 県議団の最初の感染者の座波一議員が、当初は視察以前からの感染を疑われていたが石垣での感染が濃厚との見解を県は発表。

 議員側が、那覇での活動経路を明かしたがらないからなのか。全経路を把握しての石垣感染が分かったのか、あるいは沖縄本島での県議の活動経路が判明し難いことからの苦肉の対応なのか。

 そこは県民の気持ちを掬って、特別公務員を特別扱いせず、むしろ逆の意味で特別扱いして、厳しく追及してほしい。県民の命のためでもあり、任を持つ一般公務員が、特別公務員をしっかり調べことができるのは、こんな時しかない。今後のことを考えると、政治家がどんな場面でも国をバックに県行政へ横やりを出しかねない。

 (流杉一行)

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