大浜でカジマヤー

 2月7日午前10時30分から大浜集落恒例の数え97歳の長寿を祝うカジマヤーが集落挙げて盛大に催された。

 この日、カジマヤーを迎えたのは、山盛静さん、東與那覇ヒテさん、仲皿秀さんの3人。

 公民館役員を先頭に、大浜小学校の鼓笛隊と旗を振るカラーガード隊やポンポンやカジマヤーを手にする生徒らの祝福の行進の後を、3輪バイクのトゥクトゥクに親族と一緒に乗り込んだ、カジマヤーの車3台が、周囲からの祝福の声に応えながら行進。

 長寿にあやかろうと沿道に出て手を振る人や、若い時代をよく知る人から声をかけられ、国道は多くの人の呼び掛けで賑わっていた。

 大浜公民館を出発地に、JA大浜の広場までの国道をゆっくりと進み、元気な3人に「おめでとうございます」と、ねぎらいの言葉をかけると、「ありがとうございます」と本人や親族から、感謝の言葉が返されていた。

 JA大浜の前の広場に到着すると、式典が開催され、福島英和大浜公民館館長から長寿を祝う挨拶がおこなわれ、かけつけた中山義隆石垣市長も、祝辞を述べて、3人へのねぎらいの言葉をかけていた。

  大浜婦人会による「花のカジマヤー」や、大浜体操倶楽部による「これから音頭」が披露され、モーヤーで盛り上がったあと、老人クラブ長寿会の前津栄昭会長の万歳三唱がおこなわれた。

 このあと、3人を代表して、とぅくとぅくから降りてマイクを持った山盛静さんは、
「集落の皆さん、このようなめでたい日を迎えられてとてもうれしいです。パレードのために動いてくださった公民館役員の皆さま、婦人会の皆さま、元気な子供たち、沿道で声をかけてくれた人たち、きょうは本当にありがとうございました」

と、しっかりした声で集まった人々へお礼の言葉を述べ、会場から盛大な祝福の拍手を受けていた。

 このあとも、集落内を行進して、大浜村の人々から祝福の言葉を受けて、カジマヤーパレードは終了していた。

 山盛さんは大正12年12月2日生まれ。宮良家(キダスキヤー)に生まれて、山盛家(ヤームリャー)の3男仁太郎に嫁いで、本家の酒屋を手伝い。

 その後、夫婦で農業にはじまり、花カツオ販売、さしみ屋、公設市場で精肉店を営むなどして、子ども5人、孫10人、ひ孫11人に恵まれ、カジマヤーを迎えた。

 趣味は庭いじりで、食事に好き嫌いはなく、何でも食べるとのこと。毎日、歩くことを欠かさず、日課にしているという。

 東與那覇さんは大正12年9月29日生まれ。結婚後は6人の女の子を授かり、農業で生計を立てて、今日8人の孫、6人のひ孫に恵まれて、この日を迎えている。

 仲皿さんは大正12年6月10日生まれ。桃原家(ペーグヤー)の1男6女の長女として生まれ、大浜尋常高等学校を卒業後、台湾で女中奉公に就く。

 帰島後は、仲皿家(富吉)に嫁いで、2男3女を授かる。

 趣味は手芸で、30年間、建物が立つ以前の公設市場時代から身を粉にして家族のために働いた。

 孫13人、ひ孫14人に恵まれて今日ある。


 
 (流杉一行)



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