イヤナス御嶽でフバナアギ(オンプール) <2018>

 7月30日午前10時から石垣市中央運動公園前の米為(イヤナス)御嶽でフバナアギ(穂花上げ)が行われた。

 米為御嶽は、八重山に最初の稲作伝来が伝承される御嶽で、タルファイとマルファイの兄妹が安南(ベトナム)から種子をもってきて、稲作技術を伝えたとされ、マルファイの墓がこの米為御嶽で、タルファイの墓は大川の大石垣御嶽とされている。
 
 この日、登野城字会長の玉城学氏があいさつに立ち、ここの参集した人々により、御嶽の神に対し今年の豊作に感謝し、来夏世の豊饒を祈願できたことを心から喜いんでいることを述べていた。

 米為御嶽の前で、初穂によってつくられた神酒を給仕と客が歌を掛け合いながら、神酒を頂く、ミシャグパーシーの儀式が行われていた。

 会場は、静粛な中でおこなわれる自然で素朴さな所作に、伝統継承の重さを感じさせて、見る人を魅了していた。

 御嶽のたたずまいの風格も手伝い、見る人を不思議な世界にいざなっていた。
 
 このあと、太鼓や巻踊りが奉納され、会場は多くの人に見まもられながら、締めくくられていた。

 なお明日は、いよいよ石垣島最大の豊年祭である真乙姥御嶽のムラプールがおこなわれ、豊年祭シーズンのピークを迎える。
  
  (流杉一行)

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