6月26日、新川川河口に大型のアジサシ、オオアジサシが飛来しているのが見られた。
翼を広げると130センチになり、クチバシは黄色い。「クリー、クリー」と鳴き、小笠原諸島、先島諸島、尖閣諸島へ夏鳥として飛来する。
新川川河口には、ボラなどの小魚が、群れることがあり、野鳥には格好の餌場。時折、コアジサシなども数羽飛来して、何度も海面に突進する場所でもある。
この河口は、雨が降った翌日に大量の赤土が海への流れ出ているのが観察できる場所だ。
海の汚染の一番地といえる。多くの人が住んでいる場所で、大量の赤土流出現場が確認できるという、負の光景が広がる場だ。
加えて新川川に不法投棄されたゴミが、大雨の時に赤土といっしょに流れ着く、ゴミの散乱が見られる河口でもある。川口の少し上流を見れば、大きく育ったテラピアが多数みられる。
汚れと不純な河口周辺だが、人口密集地にかかわらず野鳥がよく現れ場所。傷ついた野鳥を見かけることも多いのは、それだけ餌になるものが多いからかも。
この河口から海向かってしばらく行けば、豊かな藻場があるという話を、ウミンチュらか聞いたことがある。
新川川河口周辺からしばし沖の海の中は、陸からは見えないから、見える岸のゴミの山がもつ負のイメージが先行して、いい感じがしない。
しかし、それは知られていないだけの話。海の豊饒な側面は、知られない場所にあり、大きなアジサシも、餌を求めて飛んで来る場所ともなっている。
野鳥の飛来は、自然が残るバロメータとみていいと思うのだが。
石垣島ではもはや定番となっているオオアジサシの飛来は、5月から6月にかけてやってきて、産卵および子育てをしているようで、初秋には幼鳥といっしょに現れるようになる。島で産卵しているとは思えないが、そこはまだ不明だ。
(流杉一行)