6月21日午前9時から八重山郵便局でパインマンゴー出荷式が実施され、多くの関係者が集う中、生の地方による郵便局関係の子供たちのかわいいエイサー隊による演舞が行われて会場を、盛り上げていた。
会は、八重山郵便局長のあいさつから行われ、「今年も、全国に石垣島産のパインマンゴーのゆうパック出荷の拡大を図ってゆきます。この出荷式をきっかけに、より多くの人に甘くておいしいパインマンゴーを送るべく、取り組んでまいります。」
と、述べていた。
このあとテープカットがおこなわれて、パインマンゴーの出荷が開始された。
今年は厳冬と少雨によりパインの結実が例年に比べて少し遅れているものの、数は昨年と同様にたくさんの収穫が予定されているとのこと。マンゴーに関しては35%ほど昨年より少ない生産予定で、昨年が豊作であったための、今年は木を休める人も出るための傾向だとのこと。
会場には、ピーチパインやハワイ種などのパインに加え、今年5月末から市内に現れ話題になっている最新の品種ゴールドバレルも展示されていた。
1個3500円という高価なパインで、しかも酸味を抑えた甘みが目立つパインで、まだ苗の普及も少なく、一般に浸透はしていないものの、甘さのインパクトは大きく、今後注目の品種でもある。
この日、上間昇氏は記者に昔話を披露。
上間氏によれば、八重山で缶詰工場が多数稼働する中、多くのパイン農家がパインを生産。当時、上間氏も年間300トンの生産をしていた。
八重山の農家は、八重山でつくれるパインが、甘くおいしいことを知っており、八重山以外の日本の誰もそのことを知らなかった。
八重山より平均気温が2度低い沖縄島の北部でつくられるパインに比べても、その甘さは破格で、沖縄島でもその甘さは知られていなかった。
しかし、当時、それを生で食べさせることをしていなかったため、知っているのは農家だけ。
それを、上間氏は、八重山に来る学生を中心としたカニ族といわれるバックパッカーに、300円で食べ放題を実施したところ、大反響となり、それがきかっけで、じわりじわりと生で食べるパインが普及していったという。
パインの缶詰は多くの人に知られていたが、生で甘いパインは八重山のものを食べて、はじめて知る人が出る格好。
パイン缶詰が外国産の普及で、ことごとく工場の閉鎖となり、工場向けが中心だったパイン農家が、生のパインの販売へ切り替えて、生産し続けることに成功したことは、大きな挑戦でもあり、今あるパイン生産の隆盛は、その転換に尽力した上間氏らや、川原婦人会の尽力によるものといえた。
工場出荷と生販売用出荷との間での綱引きもあった当時、むつかしい時代を経て、今がある模様。
(流杉一行)